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1997 Fiscal Year Annual Research Report

有機無機複合体における励起エネルギーの緩和過程

Research Project

Project/Area Number 07650024
Research InstitutionFukui University of Technology

Principal Investigator

内田 健治  福井工業大学, 工学部, 教授 (70139814)

Keywordsゾル-ゲル / Pーターフェニル / 有機無機複合体
Research Abstract

本研究は、無機非晶質マトリックス中に有機分子を分散させた複合体の、その有機分子の電子構造に着目したもので、(1)有機分子としては、パラーターフェニル(TP)分子を選びゾル-ゲル法によりシリカガラス中に分散されたTP分子の吸収・発光スペクトルと熱処理の関係を検討した。さらに、(2)その合成試料の励起エネルギーの緩和過程を調べた。
(1)ゾル-ゲル法による試料作成は,反応速度のコントロールが比較的難しいため困難が多い。今回,ピンホール法の開発により安定な作成が可能になった。作成後のゲルガラス中のTP分子の吸光度は著しく小さく,また,蛍光スペクトルのピーク波長はエタノール溶液中より,約200Aの長波長側にシフトしている。この原因として,触媒として用いた,塩酸の影響が考えられるが,塩酸濃度を変えても大きな変化はなかった。このゲルガラスの密度は約1.6g/cm^3と通常のガラスより小さく,通常の無機ガラスに近づけるには熱処理を必要とする。吸収強度は,熱処理温度の上昇と共に大きくなり,約120度の処理温度で強度が最大を示し,それ以上では強度が小さくなった。また,蛍光スペクトルは,熱処理温度の上昇すると共に,スペクトルはブルーシフトし,130℃の熱処理でその強度が最大になりほぼエタノール溶液中と同じスペクトルを示す。このことから,ゲルガラス中の未反応のアルコキシド基が有機分子の吸収発光に大きく作用していることが分かる。また,120℃以上の熱処理ではPT分子は熱分解することが分かった。
つぎに、(2)有機分子の励起三重項状態からの励起エネルギーの緩和過程と熱処理温度の関係を知るため,パルス光励起による遅延蛍光の減衰を観測した。その結果、三重項の減衰時間は100℃の熱処理で最大の38msecの値を示し,十分熱処理を行ったガラス中ではTP分子は溶液中や結晶ほぼ同じ電子状態を示していることが分かった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Kenji Uchida: "Influence of Molecular geometry on the absorption spectra of p-terphenyl crystals and phase transition" Journal of Luminescence. 72-74. 501-502 (1997)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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