1996 Fiscal Year Annual Research Report
高温分子線を用いた高品質硫化亜鉛薄膜の低温成長と電動性制御
Project/Area Number |
07650026
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大石 正和 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40068911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 稔 岡山理科大学, 理学部, 講師 (40240379)
斉藤 博 岡山理科大学, 理学部, 教授 (20013526)
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Keywords | 硫化亜鉛 / 分子線エピタキシ成長 / 結晶成長 / ド-ピング / 成長速度 / 表面構造 / 反射高速電子線回折 / ルミネッセンス |
Research Abstract |
本研究においては、硫化亜鉛薄膜、セレン化亜鉛薄膜を分子線エピタキシ法で成長させ、それらの成長過程を反射高速電子線回折法で調べ、主として薄膜の成長速度および光学的性質を調べた。この実験に用いた分子線は、通常の分子線セルの出口に高温部を設けたセルから吐出される分子線……高温分子線……を用いた。P型アクセプタードーパントとしLiを成長中に供給すると、成長中に曲率をもつストリーク像が出現することを見いだし、これが成長表面テラスのBステップ端に取込まれたLi原子が起因する1次元格子によることを明らかにした。さらに、無傾斜GaAs基板を用いると、成長速度がLi供給を増すと極度に低下し、ある量以上の供給で全く成長しないことを見いだし、高濃度Liを含む薄膜の成長が困難であることが示された。この成長速度低下の原因はLiが取込まれたステップ端からの膜成長が起こらないことによると考えられる。しかし、意図的に傾斜させたGaAs基板上への成長を行った結果、傾斜角を15度にすれば成長速度の低下が防止できることが判明した。得られた薄膜のフォトルミネッセンスは束縛励起子発光が支配的で、高品質であることが示された。また、Liをドープした薄膜では、LiがZn格子点に有効にドープされ、格子間Liの発生が抑制され、低温でもFA発光を示す薄膜が成長できた。低温(4.2K)でFA発光が支配的であることは、薄膜中のドナー性不純物が極めて少ないことを意味し、高温分子線を用いる方法はLiアクセプタド-ピングのための有効な方法であることが示された。さらに、無添加ZnSe膜において、励起光照射時間に依存するという特異な性質を始めて見いだした。この発光はセレン空孔と光励起で生成されたキャリヤとからなる複合中心であると考えられ、無添加ZnSe膜中のセレン空孔を見積もjる指標となりうることが期待される。
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[Publications] M.Yoneta: "Li-doped ZnSe surface on misoriented GaAs(001) substrate" Mat.Res.Soc.Symp.Proc.(in press). (1997)
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[Publications] M.Yoneta: "Photo-Active Defect-Related Luminescence Line Observed in ZnSe/GaAs Grown by Molecular Beam Epitaxy" J.Crystal Growth. 159. 148-151 (1996)
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[Publications] M.Ohishi: "On the Growth Mechanism of Li-and Na-doped Zn Chalcogenides on GaAs(001) by Means of Molecular Beam Epitaxy" J.Crystal Growth. 159. 376-379 (1996)
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[Publications] H.Saito: "Acceptor-doping in ZnS/GaAs grown by means of the post-heated molecular beam epitaxy" Matrials Science Forum. 182-184. 69-72 (1995)
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[Publications] M.Yoneta: "Li-acceptor doping in ZnS/GaAs by post-heated molecular beam epitaxy" J.Crystal Growth. 150. 817-822 (1995)