1995 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギーイオンプロセスによるTiオキシナイトライド超薄膜の成長制御
Project/Area Number |
07650036
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久保田 弘 熊本大学, 工学部, 助教授 (20170037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤吉 孝則 熊本大学, 工学部, 助教授 (80212190)
宮原 邦幸 熊本大学, 工学部, 教授 (90040401)
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Keywords | チタン / B1化合物 / 拡散防止膜 / イオンプロセス / 酸化 / イオンビーム / 低エネルギー / スパッタリング |
Research Abstract |
TiNとTaNの化合物の薄膜について今回、TiNについてはそのイオンプロセスにおける酸化メカニズムの解明とオキシナイトライドの解析について、TaNについては安定化したヘキサゴナル構造をB1構造に改質する手法について、それぞれ成果があったので、報告する. まず、TiNについては、実験パラメータが正確に決定できる、イオンビームアシスト法を用いた.また、ULSI生産現場での薄膜作成条件の標準化、最適化の必要性を考慮して、プロセス中の酸化進行メカニズムとその定量化に焦点を当てて研究を進めた.TiNは結晶の結合性は安定だが、酸化に対しては弱く、即座に酸化物や窒素酸化物を表面に形成する.薄膜プロセス酸化は酸素の表面吸着から始まることから、表面に欠陥が多く存在し、不安定な構成原子が露出しているとき、酸化量が増大するという仮定から表面欠陥量をイオンビーム照射量により制御しその仮説を確かめた.また同時に、ミクロな酸化モデルを提案し、そのシミュレーション結果が実際の結果をよく説明していることを明らかにした. TaNについては、標準状態ではヘキサゴナル構造であり、B1型構造は準安定状態で得られる.我々はこの準安定状態を薄膜として安定に得た後に,その酸化特性を測定し、上記のTiNについて考察した現象の一般性を確かめる.今回TaNについては、より多くの窒素化を行ったサンプルではB1型の構造がみられ、より強固な耐酸化性を有するものと期待される.遷移金属化合物の窒素化は構造変化を伴った耐酸化性能あるいは拡散防止性能を高めるものと期待されるが、一方ひとたび、成長表面に欠陥が生じればオキシナイトライド化合物を通して酸化が進むことが明らかになってきた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Kubota and M.A Nicolet: "Model for Oxidation of TiN in Ion Beam assisted Deposition Process" Applied Surface Science. (印刷中). (1995)
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[Publications] H.Kubota,T.Fujiyoshi and Masami Onuki: "Localized states of a-GaP : N by Ion Beam Assisted Deposition" Journal of Non-crystalline Solids. (印刷中). (1995)
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[Publications] H.Kubota,M.Easterbrook,M.Tokunaga,M.Nagata,I.Sakata and M.A Nicolet: "DEFECT-INDUCED OXIDATION OF TiN IN ION-BEAM-ASSISTED DEPOSITION PROCESS" Defectrecognition and Image processing. (印刷中). (1995)