1995 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリオロドプシンを用いた偏光制御型光スイッチ素子の開発
Project/Area Number |
07650047
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
岡田 佳子 (首藤 佳子) 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50231212)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨岡 寛顕 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (50212072)
|
Keywords | バクテリオロドプシン / フォトクロミズム / 偏光記録 / 光スイッチ / 有機非線形材料 |
Research Abstract |
バクテリオロドプシンはバクテリアの細胞膜から単離される色素タンパク質で、光強度だけでなく偏光方向によって異方性を生じるため、偏光ホログラム記録材料として知られている。光の強度(振幅)、位相だけでなく、偏光も情報として利用する、偏光制御型光スイッチ素子を実現するため、入力光の偏光をスイッチすることによって出力光の偏光あるいは強度を制御する方法を提案し、その動作確認を行った。 1.室温でのスイッチング動作の確認 4光波混合光学系で、書き込み光のArイオンレーザの偏光を半波長板を用いて縦・横に変化させ、信号光(He-Neレーザ)の偏波面を一定に保ったままで、出力光の偏光を変化させたところ、高いon/off比が得られた。しかし、そのスイッチング速度はミリ秒のオーダーで、生体材料自身のもつ高速応答性を十分利用するまでには至らなかった。 2.集光機能をもつスイッチ素子の検討 書き込み光であるArイオンレーザ光の一方に凸レンズを挿入し、平面波と球面波を干渉させ、バクテリオロドプシン薄膜上にボーンプレートのホログラムを書き込む。一方の偏光を直交させても、偏光ホログラムが記録される。これらによって信号光(He-Ne)を集光させ、30μmスポットサイズと円形の形状をもつ良好な集光特性を得た。集光させたまま偏光スイッチできるため、直接光ファイバーとの接続も可能となる。今後の課題は回折効率を向上させるためには、応答速度を遅くしなければならないという矛盾を解決することである。
|
-
[Publications] Y.Okada-Shudo: "“All-Optical Logic Processor using Polarization Discrimination of Bacteriorhodopsin"" Tech・Digest of Conference on 2nd Japan-France Joint Forum “Organic Materials and Optoelectronic Devices". 39 (1995)
-
[Publications] 岡田佳子: "“バクテリオロドプシンを用いたスイッチング機能をもつ波長分波器" 第23回光ファイバ・レーザ関係研究発表会予稿集. 1-9 (1995)
-
[Publications] 岡田佳子: "“光受容性タンパク質バクテリオロドプシンとは"" パリティ. 10. 26-37 (1995)