1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650058
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
森下 克己 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (60148476)
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Keywords | 光ファイバ / 分散性光ファイバ / 光フィルタ |
Research Abstract |
屈折率の波長依存性の大きく異なるコアとクラッド材を光学ガラスの中から選定し、長波長通過分散性光ファイバの設計を行った。設計に基づき、選定した光学ガラスをコアロッドとクラッドチューブに加工し、分散性光ファイバを製作した。製作した分散性光ファイバの光フィルタとしての特性評価を行い、製作及び特性上の問題点を明らかにした。また、製作された分散性光ファイバをアニールし、波長特性の変化を調べた。 伝送損失と接続損失はかなり大きかったが、その原因を明らかにするとともに、実用の域にまで減少できることが分った。伝送損失は材料損失よりもはるかに大きく、コア・クラッド界面の不整で大部分に生じており、母材表面を研磨することにより材料損失程度にまで減少できることが分った。また、標準の単一モード光ファイバとの接続損失もコア径を調節することで減少できることが分った。 屈折率分散が与えられている光学ガラスの種類が限られており、適当な屈折率分散を持ったコアとクラッドガラスを選定するのに困難な状態であった。しかしながら、製作された分散性光ファイバをアニールし、アニールの条件を変えることによって、コアまたはクラッドの一方の屈折率波長曲線のみを変化でき、コア・クラッド間の屈折率差を制御できることが分った。このことは、同じガラスの組合せであっても、波長特性の大きく異なる分散性光ファイバができることを示している。アニールによる波長特性制御は、転移温度の異なるガラスの組合せで有効であると考えられ、分散性光ファイバの波長特性制御の有力な技術となるものと思われる。
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