1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650070
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Prefectural University. Junior College |
Principal Investigator |
増田 公明 埼玉県立衛生短期大学, 一般教養, 助教授 (40173744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴村 英道 埼玉県立衛生短期大学, 一般教養, 助教授 (30100605)
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Keywords | 希ガス液体 / 放射線検出器 / 光電離 / 減衰長 |
Research Abstract |
キセノンなどの希ガス液体では放射線によって付与されたエネルギーは電離電子の生成またはシンチレーション光子の発生に使われる。重イオン入射や印加電場が低い場合には電離電子と希ガスイオンの再結合のために電子の収集が十分でなく、その結果エネルギー分解能の劣化や放射線の種類による応答の違いなどを生ずる。これに対して、電離ポテンシャルの低い分子を液体キセノンに少量混ぜることによってキセノンのシンチレーション光が混入分子を電離する光電離現象を利用して、収集電荷量の増加、低電場におけるエネルギー分解能の向上、放射線の種類による応答の一様化など、検出器の特性を改善することができる。このような液体キセノン光電離検出器を実用化するにあたっては、その検出器としての動作特性、特に安定性や再現性が重要である。そこで、液体キセノンに光電離分子を添加することによって生じうる問題点を調べ、実用化の可能性を検討している。 今年度はまず、液体キセノン光電離検出器を設計・製作し、測定システムを構築した。このシステムをテストするために、液体アルゴンを用いて測定を試みた。その結果、モレキュラーシ-ブスで純化したアルゴンガスを用い、純粋液体アルゴン中で1kV/cmの電場における移動電子の減衰長が2m以上であることと、動作が60時間以上安定であることを確認した。さらに、真空蒸留とモレキュラーシ-ブスで純化したアレン(C_3H_4)50ppmを添加したところ、1kV/cmの電場で55cmの電子減衰長を得た。液体アルゴン+アレンでは時間とともに収集電荷量が減少する現象が見られたが、逆に電子の減衰長は増加した。詳細については解析中である。これらの結果からこのシステムを液体キセノンにも使えることが明らかとなった。
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