1995 Fiscal Year Annual Research Report
非線形情報量基準に基づくカオティックな時系列データの自己組織化非線形予測の研究
Project/Area Number |
07650072
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小町 令美 千葉大学, 工学部, 助教授 (70194595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原田 秀夫 千葉大学, 工学部, 教授 (90010793)
松葉 育雄 千葉大学, 工学部, 教授 (30251177)
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Keywords | ニューラルネットワーク / カオス / フラクタル / 非線形ダイナミクス / 決定論的予測 |
Research Abstract |
本研究の平成7年度における研究成果を以下にまとめる。 従来,特に応用においては線形モデルが中心であった時系列データ処理に代わり,対象の非線形性の同定の重要性が認識されるようになってきた.線形系の場合,予測の基本として既に情報量基準(AIC,MDLなど)が確立されているが,非線形系の場合には未だ提案されるに至っていない。本年度は,不規則な時系列データ処理の統計モデルとは異なり,非線形ダイナミクスという観点から,ニューラルネットワークを用いて時系列データの非線形ダイナミクスをモデル化し,決定論的な予測を行なうための基礎的な研究を行った。さらに,経済現象のように実際の現象を扱う場合には,エノンマップ(2次の非線形性を含む差分方程式)のような人工的に発生したカオスではなく,データのみから自己組織化(学習)を通して同定する必要性がある。このため,カオス,その本質である非線形ダイナミクスをニューラルネットワークを用いて同定した. 以下の項目に,具体的研究内容を記す. 1)時系列データをカオスとして捉えた時に,データのフラクタル性から,そのデータのマクロな性質を定量的に把握するための非線形情報量基準を導入した。 2)ワークステーションを用いて,時系列データのカオス性との関連において,人工的なモデルと実データを用いて,決定論的非線形予測アルゴリズムと統計モデル(ARMA法等)による予測法との比較検討を行い,決定論予測法の優位性を確認した(本研究に関して,電子情報通信学会で発表).
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[Publications] 松葉育雄: "ニューラルネットワークはカオティックな時系列データの分析,予測に役立つか?" 応用数理. 5. 14-30 (1995)
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[Publications] 松葉育雄 他: "大域的局所的手法による時系列の非線形予測" 電子情報通信学会技術研究報告. CAS95-82. 55-61 (1996)
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[Publications] 松葉育雄 他: "SA法の拡張と時系列予測を含んだ投資問題への応用" 情報処理学会研究報告. 96-AI. 37-42 (1996)
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[Publications] 松葉育雄 他: "領域分割法による最適化問題の近似解法" 情報処理学会第52回全国大会. I-39-I-40 (1996)