1995 Fiscal Year Annual Research Report
生物構造を構成する繊維材料組織の配向メカニズムとその力学的評価の研究
Project/Area Number |
07650093
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新宅 救徳 金沢大学, 工学部, 教授 (90019761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜成 年泰 金沢大学, 工学部, 助手 (90195321)
尾田 十八 金沢大学, 工学部, 教授 (30019749)
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Keywords | 生物繊維材料 / 配向メカニズム / 力学的評価 |
Research Abstract |
動植物の繊維質に関する文献調査を行うと共に蔓性の植物の収集を行った。生体を複合構造体として見る場合、最も簡単な基本構造は蔓の形をとる植物で繊維質材による一方向強化型のものである。これらを対象とした研究の第一段階としては、構成材料や構造要素を無視して一材料としての強度評価が必要である。そこで蔓の引張試験を行うための試料採取方法の検討と引張試験のための試料把持具の設計を行っている。ついで構成材料と構造要素の研究をすすめ複合構造体としてのメカニズムを解明しなければならない。植物はセルロースを主成分とするものであるが、蔓性の植物のセルロースを研究するためには、最初に不純物を除去し筋を形成しているセルロースを分離しなければならない。そこで本研究の現段階では適切な溶剤を模索している。 一方ではこれらの配向とマトリックスの構成から複合材料としての理論的な強度解析を行うためのモデル化を考えている。 蔓を形成する植物として、藤、蔦、葛、あけび、山芋等を採取し、採取後の時間による変化をみると定性的にみて強くなるもの、もろくなるもの等種類のみならず一品種の部位によって差のあることが観察された。これは含水率が強さに大きい影響を及ぼしていると判断される。植物の特色として季節によっても変化することは知られているがこれらを十分考慮した評価を行わなければならない。三次元的な材料として胡桃の殻の強度評価法をすすめている。 引張試験機の把持具は植物が丸に近い形状をしていることと、過大な荷重をかけて把持できないため何度かの試行をおこなっている。 以上、現在は準備期間であるが成果としてまとまり次第公表するつもりである。
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