1995 Fiscal Year Annual Research Report
テセレーション解析を用いた金属材料の微視構造の定量化と損傷力学
Project/Area Number |
07650103
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長岐 滋 岡山大学, 工学部, 助教授 (30135959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 一郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10263625)
納所 孝至 岡山県立大学, 情報工学部, 講師 (80208298)
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Keywords | 損傷力学 / 微視構造 / テセレーション / ボロノイ多角形 / 塑性異方性 / 損傷テンソル / 多孔平板 |
Research Abstract |
本研究は材料内部の空孔の微視的分布形態をテセレーション解析によって定量化しその損傷力学的な利用方法を確立することを目的としている.本年度は微視空孔が複雑に分布する実際の多孔質体の2次元モデル材料として不規則に空孔を分布させたアルミニュム多孔平板を作成し,その損傷状態を求める手法を検討するとともに,試験片の変形状態や破断状態と損傷テンソルの関係を実験的に検討した.結果を要約すると以下のようになる. 1.ボロノイ領域分割法によって変形前の試験片領域を空孔を内部に1個含む多角形に分割し,多角形の辺の分布状態のテセレーション解析を行った.得られた辺の分布状態を表わすファブリックテンソルから領域全体の損傷状態を平均的に表わす損傷テンソルを求める手法を提案した. 2.平均損傷テンソルを異方性GURSONの降伏関数に用いると,損傷を受けた状態での初期降伏応力や流動応力などの塑性異方性を定性的に表わすことが加納となる. 3.個々の多角形についても,テセレーション解析によって等価な長方形を算出し,損傷テンソルの分布状態を求めることができた. 4.得られた損傷テンソルの分布状態は,試験片の破断状態(破断の開始位置,空孔の変形状態)とよく対応しており,提案した手法の妥当性が示された. 今後の研究課題として,変形した状態ので損傷テンソルの算出法,ならびに変形とともに損傷状態が変化する様子を損傷テンソルの発展式として数式化して捉えること等を考える必要がある.なお,これら得られた結果の一部は日本機械学会山口地方講演会で口頭発表を行った.
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