1996 Fiscal Year Annual Research Report
粘弾性効果を利用したスローアウェイ型ダイヤモンドフィルムによる硬脆材料の精密仕上
Project/Area Number |
07650131
|
Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
樋口 静一 千葉大学, 工学部, 助教授 (50114319)
|
Keywords | ラッピングフィルム / ダイヤモンド砥粒 / 硬脆材料 / 粘弾性 / コンタクトロール / 切込制御 |
Research Abstract |
本研究は,ダイヤモンド砥粒を接着剤で塗布した帯状のポリエステルフィルムを工具とし,工具支持体の粘弾性効果を利用して硬脆材料を高能率かつ高精度で加工する方法を確立すると共に,その適用範囲と応用分野を把握・検討することを目的としている. 本研究課題の目的を達成するために,粘弾性効果など工具-工作物間の接触状態の変化を明確にすることがまず第一に必要であり,さらに,その特性を有効に利用した研磨システムを構築した. 本年度実施した研究課題ならびに得られた結果の概要は下記のとおりである. 1.圧電素子の急速変形と微小変位機能を利用して,微小な変位を繰返し加える加振実験装置を作成し,工具を支持するコンタクトロールのゴムの周波数特性を測定した.さらに,ゴムの周波数特性より、その粘弾性的性質を明らかにし,3要素モデルまたは4要素モデルで近似できることを確認した. 2.スローアウェイ型ダイヤモンドフィルムを使用する研磨システムを利用して,各種の切込制御を行った場合について,法線抵抗の変化から工作物と工具の接触状態の変化を明らかにした.その結果,特に切込速度が接触状態に及ぼす影響が大きく,実際に研磨を行う場合には,粘弾性的性質など動的特性を考慮して切込方法を検討することの重要性を明らかにした. 3.ゴムコンタクトロールの動的特性を有効に利用し,研磨能率を向上するための繰返し切込方法を提案すると共に,実験結果よりその効果を確認した.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 樋口静一,戸塚貴之,斎藤義夫: "スローアウェイ塗布型研磨工具による工作物表面経常の形成過程" 1996年度砥粒加工学会学術講演会講演論文集. 176-181 (1996)
-
[Publications] 樋口静一,高木章次: "ラッピングフィルムの砥粒近傍における変形挙動" 1996年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 43-44 (1996)
-
[Publications] 樋口静一,高木章次: "ゴムの変形挙動を利用したラッピングフィルムの研磨特性の検討" 1997年度精密工学会春季大会学術講演会(3月25日).