1995 Fiscal Year Annual Research Report
AE波の周波数分析によるスタンパブルシート製品の成形性に対する新しい評価法
Project/Area Number |
07650143
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 順介 大阪大学, 工学部, 助教授 (60116093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花崎 伸作 大阪大学, 工学部, 教授 (50029097)
|
Keywords | スタンパブルシート / 加熱流動成形 / 成形加工 / AE / 成形性 / 周波数分析 / キャビティ内圧力 |
Research Abstract |
各種の組成の異なるスタンパブルシート成形品を曲げ破壊し,そのときに発生するAE波の周波数分析を行った結果,微視的な破壊現象と,AE波の周波数との間にはそれぞれ密接な対応関係があることがわかった.すなわち(1)マトリックスの破壊が65kHz付近(2)ガラス繊維の破断による破壊が85kHz付近(3)ガラス繊維とマトリックスの間の摩擦を伴ったすべりによる破壊が105kHz付近(4)ガラス繊維どうしのずれによる破壊が135kHz付近(5)ガラス繊維とマトリックスの界面の剥離による破壊が160kHz付近と明らかになった.次に,成形条件と成形性の関連について調べた.200×100mmの平板成形品が得られる金型を用いて,底面に設けた5本の圧力センサにより,成形中の金型キャビティ内の圧力測定を行った.その結果,以下のことが明らかになった.(1)金型がポジティブ型であるため,樹脂の冷却固化に伴い,製品の各部の圧力に大きな差が生じ,設定圧力よりもかなり高い部分が生じる.(2)圧力曲線の立ち上がりの違いにより,スタンパブルシートの成形性を判断することができる.(3)繊維含有率の異なる材料を成形したときには,繊維含有率が少ない方が流動時の圧力差も少なく,過圧縮による圧力のピークの値も小さい.繊維含有率が多い材料では,圧力の立ち上がりは不安定で,各チャンネル間の圧力差も大きく,過圧縮のピークも大きい,しかし成形に要する時間は短い.(4)繊維長の異なる材料を成形したときには,繊維長が長くなるほど,流動中の圧力挙動は不安定になる.しかし過圧縮したときのピークはあまり変わらないが,繊維長が3mmのときは,流動性が悪くなる.各チャンネル間の圧力差は繊維長が短くなると大きくなる(5)繊維解繊度の異なる材料では,解繊度が大きくなると流動抵抗が大きくなるため,各チャンネル間の圧力差は大きくなり,過圧縮のピークも高くなる.成形に要する時間はあまり変わらない.
|
Research Products
(2 results)