1996 Fiscal Year Annual Research Report
静圧気体軸受および静圧気体潤滑案内面の精度設計法に関する研究
Project/Area Number |
07650174
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
矢部 寛 京都大学, 工学研究科, 教授 (30025936)
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Keywords | 静圧気体軸受 / 静圧気体潤滑案内面 / 運動精度 / 製作精度 / 精度設計法 / 給気絞り形式 |
Research Abstract |
1.真円度誤差を有する軸が静圧気体ジャーナル軸受で支持されている場合の軸の静的回転精度特性について実験的に検討した。確実な誤差形状を得るため、真円軸の周の一部に数箇所平面研削加工を施すことによって軸に真円度誤差を与えた。平面研削箇所の個数(軸真円度誤差のlobe数に相当)、軸受すきまの影響、軸に作用する荷重の影響などに注目して実験を行い、いずれについても、理論と実験結果はよく一致することを確認した。 2.理論結果によれば、静圧気体ジャーナル軸受において給気孔が「点状」であることが軸心の振れをもたらす要因の1つとなっている。そこで、逆に、点状ではない給気形式として給気孔出口に周方向溝を設けた軸受形式を提案し、このような軸受で支持された軸の回転精度特性について実験的ならびに理論的に検討し、この軸受が、軸回転精度特性からみてよりよい形式であることを確認した。 3.多数給気孔静圧気体ジャーナル軸受および静圧気体潤滑案内面のそれぞれについて、軸受すきま内の気体の流動を単純にかつ精度よくモデル化して把握することによって、軸あるいは案内レール面の形状誤差の各成分が運動精度特性に及ぼす影響を検討し、運動精度特性を支配する形状誤差要因を形状特性量の形で抽出した。 4.軸あるいは案内レール面上の形状誤差が規則的な統計的な性質をもって分布しているとしたときの、軸あるいは軸受パッドの運動精度特性の検討結果を含め、静圧気体潤滑支持機構(軸受あるいは案内面)の設計あるいは製作の段階で、必要な運動精度を達成するための公差基準の与え方に対する理論的な基本指針を明らかにした。
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