1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650210
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 和雄 九州大学, 工学部, 助手 (00150491)
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Keywords | ターボ機械 / 複雑乱流 / コリオリ力 / 流面傾斜 / 斜流羽根車 / 翼先端漏れ渦 / 渦の崩壊 |
Research Abstract |
斜流羽根車内の複雑乱流場に及ほす流面傾斜の効果,すなわちコリオリ力の効果を明らかにすることを目的として,実験および数値シミュレーションにより得られた斜流および軸流羽根車内の流れ場を詳細に比較した結果,次のことが明らかになった. 1.斜流羽根車内の翼先端漏れ流れ場では翼前縁近傍で一旦巻き上がった漏れ渦が羽根車後半部で崩壊し,この漏れ渦の崩壊により斜流羽根車内での漏れ流れの挙動が軸流羽根車のそれとは著しく異なる. 2.漏れ渦の崩壊が発生すると,渦コアの消滅、渦の著しい膨張および渦中心での低相対速度領域の出現が起き,漏れ渦の構造に極めて大きな変化が現れる. 3.羽根車流路後半部から下流においては,漏れ渦の崩壊に伴って高い渦度をもつ渦コアが存在しないために,漏れ渦の巻き上がりが認められない.さらに,渦コアが消滅すると渦内の圧力勾配が誘起されなくなり,ケーシング面圧力分布の谷も消滅する. 4.漏れ渦が崩壊すると,上流から流入する主流と漏れ流れとの干渉が弱くなる. 5.漏れ渦の崩壊によって位相対速度領域がケーシング面近傍からスパン方向に大きく広がり,ケーシング面境界層の著しい発達が引き起こされる. 6.低相対速度領域の流体は後流のように大きな絶対周方向速度成分を有するため,羽根車下流のケーシング面境界層内で絶対周方向速度が大きくなる. 7.ケーシング面境界層の著しい発達は,翼先端すき間に対する効率低下率の大きな増大をまねく.
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