1996 Fiscal Year Annual Research Report
流体力学的不安定現象を応用した非平衡プラズマによるオゾン生成の超高効率化
Project/Area Number |
07650245
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 英生 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50166964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 茂 東京工業大学, 工学部, 助手 (70251650)
小林 健一 東京工業大学, 工学部, 助手 (10242273)
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Keywords | オゾン / 非平衡プラズマ / 流体力学不安定 / テイラー渦 / 遠心分離 |
Research Abstract |
本研究では,生成したオゾンを選択的に放電場から除去し,かつ除熱を効果的に行うことにより生成効率を飛躍的に向上させることを目的として,遠心分離の原理に基づくオゾンの選択的分離のトリガー(第一段階)と,これに引き続くテーラー不安定による分離促進(第二段階)を応用することを考えた.そこで,静止した外円筒電極と同心に誘電体(ガラス)に覆われた内円筒電極を設置し,後者を高速回転させて,内側から酸素を供給した.すなわち,酸素原料によるオゾン生成反応では,分子の種類としては酸素とオゾンだけであり,分子量(密度)も1.5倍異なるので,遠心加速度による自由対流が生じて選択的にオゾンの外周方向への運動が生じると同時に,外円筒電極を静止させておくと,テーラー不安定によりオゾンの外周方向への運動が助長されてテーラー渦的な流動により外円筒電極での対流促進の効果も生じることを意図したものである.本年度は,外側の静止電極を水冷できるように銅ブロックにオゾン通過用の小孔群と直交する方向に冷却流路を設けた構造を採用し,酸素流量,内円筒回転数,電源周波数を体系的に変化させて,オゾン濃度とオゾン収率を測定した.この結果,冷却を施さない昨年度の電極に比べて,全体的な性能向上が確認された.また,内円筒回転により,静止した場合に比べて最大1.5倍程度のオゾン濃度の増加が確認され,特に流量が小(反応場での滞在時間が大)なる場合に顕著であった.反応促進機構の解明と最適化に関しては,今後の課題である.
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