1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650260
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保田 裕巳 九州大学, 工学部, 助手 (10117103)
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Keywords | ヘリウム / 超電導 / NbTi / Nb / MPZ / MRZ |
Research Abstract |
液体ヘリウムのプール沸騰により冷却されるNbTi超電導体に対する数値計算に関しては,多様な動作条件のもとでの超電導体の熱的挙動の解析により安全性の判別図を作成し,これとMPZ(最小伝播領域)との関連は判明しているが,MRZ(最小回復領域)との関連が未知であるため,MRZのある1つの動作電流における超電導体の熱的挙動の予備的解析を行った.その結果,MRZとの関連を暗示する結果が得られた.今後,動作電流の範囲を広め多様な動作条件のもとでの超電導体の熱的挙動の解析を行いたい.また,Nb超電導体に対しては,計算に使用するために重要なヘリウムの冷却特性を,テープ状Nb超電導体を使用して大気圧飽和および短軸方向垂直の姿勢のもとで測定した.その結果,熱流束上昇と下降における履歴の小さな沸騰曲線が得られた.このヘリウムの冷却特性および以前測定したテープ状Nb超電導体の発熱特性を使用して,時間・空間的に矩形状の発熱がある条件において,一次元非定常熱伝導方程式を数値的に解いた.これらの解析結果とテープ状Nb超電導体に対して矩形状の熱擾乱を与えた場合の超電導体の温度応答の測定や矩形状の熱擾乱の測定よりクエンチあるいはリカバリーと確認された実験結果とそれぞれの熱流束で比較すると多少違いが見られた.これは,実験と計算の系の違いや実験材料の熱物性値に1部不明なものがあるためと思われるが,定性的には概ね同様な傾向が確認出来た.
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