1995 Fiscal Year Annual Research Report
音響共鳴による熱輸送と小形冷凍機への応用に関する研究
Project/Area Number |
07650270
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
小澤 守 関西大学, 工学部, 教授 (60112009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅川 尚嗣 関西大学, 工学部, 助手 (10232894)
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Keywords | 音響共鳴 / 冷凍機 / 熱音響理論 / 線形解析モデル / 共鳴周波数 / スタック / 温度分布 / ブレートンサイクル |
Research Abstract |
当該年度の研究計画に従って音響スピーカー,共鳴管,スタックからなる音響共鳴冷凍機モデルを用いて,スタックに沿う温度分布を計測し,共鳴周波数,音圧分布,スタック両端での音圧変動の位相差との関連について検討した.元来,熱音響理論においてはスタックに沿う平均温度勾配および熱移動現象と音響場を連立して解く必要があるが,本共鳴管においてはスタック両端での温度差は高々数十度であることを考慮すると,近似的に平均温度勾配は音響場の結果として形成されると近似することが可能であり,そのときには温度場と音響場を分離して扱うことが可能となる.設計を行う立場からするとこの近似の適用限界を同定しておくことが重要となる.そこで等温場に対して粘性および気体とスタック間の熱交換を考慮した線形解析モデルを構築し,共鳴周波数,圧力振幅,位相差について実験結果と比較検討し,その有効性を検証した.その結果,共鳴管開口部のイナ-タンスに関する補正係数を導入することによって共鳴周波数や圧力振幅の実験結果をよく表すことができた.また本冷凍機サイクルを構成する理想的なブレートンサイクルからの逸脱に直接関与するスタック両端での位相差について検証し,スタックの存在によって位相差の挙動が大きく影響されることが明かとなった.本線形解析モデルはスタック間隔が狭い,実用的には重要な領域で十分な精度で位相差をも予測することが明らかになり,本年度において構築した解析モデルは設計ツールとして有用であることが分かった.現在,これらの結果を取りまとめて論文として投稿中である.
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Research Products
(1 results)