1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650273
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yatsushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
縄田 豊 八代工業高等専門学校, 機械電気工学科, 教授 (30037890)
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Keywords | 温度計測 / 生体 / 超音波 / CT |
Research Abstract |
1)本研究は生体内の温度分布計測を非接触的に簡便に行う方法を開発することを目的としている。生体の90%は水なので、水中に寒天で作った擬似生体(ファントム)を沈め、ヒ-タで微少な温度差を作り、超音波CT法で温度分布の計測を試みる。 2)温度変化による音速変動を検知することによって温度を測定する。そのためまず水の温度を変えて音速を測定し、水の音速と温度との関係式を導いた。音速を測定することによる温度測定精度は0.05℃であった。また従来の音速と温度の関係式であるgreenspanの式はやや大きめの音速を与えることが分かった。 3)実験槽に水を入れ、寒天で作ったファントムを入れる。ファントムには組織の違いによる影響をみるため大小いくつかの穴が開けてある。穴の一つにはヒ-タが入れてある。超音波発振子と受振子間の距離は96mm、走査点数はx方向は1.5mmおきに64点、回転走査は10°おきに18回の測定を行った。全測定点数は1152点である。当初、全測定に20分かかっていたが、本年度購入したカウンタを用いることにより、全測定を2分で行えるようになった。まずヒ-タを加熱していない時に測定を行い、次にヒ-タを加熱して測定する。得られたそれぞれの音速投影データをフーリエ変換法によって再構成することにより、二つの音速分布像を得ることができる。その二つの音速分布像の各点における音速差を温度差に変換して温度分布像を得ることができた。差をとることにより、組織の違いによる音速差は相殺され、温度差のみが表われる。 4)温度測定精度は約0.1℃であったが、空間分解能は3mm程度であり、もっと上げる必要がある。そのため発振子として現在用いている5MHzの振動子を10MHzに代えて次年度実験するつもりである。また骨などの水分含有率の少なく組織がある場合は温度測定精度が悪くなる。これも次年度の課題である。
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[Publications] 縄田豊: "超音波CTによる生体ファントム内の温度分布測定" 八代高専紀要. 第17号. 1-6 (1995)
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[Publications] Yutaka Nawata: "Measurement of Temperature Distribution in Phantom Body by an Ultrasonic CT Method" Proceedings of The ASME/JSME Thermal Engineering Joint Conference 1995. Vol.3. 469-474 (1995)