1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650295
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
下郷 太郎 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30051147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 秀征 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (60085131)
川島 豪 神奈川工科大学, 工学部, 助教授 (70186089)
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Keywords | パルスコントロール / 安定化制御 / 倒立振り子 / ガスショット |
Research Abstract |
本研究は空気噴流パルスによる倒立振り子の直立平衡点の安定化のための制御方法も開発を目的としたであり、特にパルスの発生間隔、初期の傾斜角が制御性能に及ぼす影響を、数値シミュレーションと実験によって明らかにした。制御の方式は一定時間毎に取り込まれた振り子の傾斜角と傾斜速度からパルスの作用時間を計算してノズルの開閉を行うものであるが、スライディングモード制御を適用する場合には、一定作用時間を有するパルスの発生の有無だけをサンプリング時刻毎に決定する。 本研究に用いた一重倒立振り子の実験モデルでは、空気圧を5気圧で一定としたとき、初期角変位が5°以下において制御が可能であった。パルスの発生間隔としては、1.0s以下のとき制御が可能であるが、パルス間隔が0.1s以下で小さすぎると、パルスの作用時間が不足して実験では制御が不能となった。数値シミュレーションではパルスを力積として与えるからパルス間隔は小さいほど制御しやすい。一般にパルス間隔が小さいほど、平衡点まわりの揺らぎが小さくなる。二重倒立振り子では、下側のリンクにおける負の復元係数が大きいから、初期角変位の制御限界が上側のリンクのそれよりも小さくなる。15EA03:以上述べたように、アクチュエータとして可動部分を有しないガス噴流パルスによって、倒立振り子のような不安定な構造物を、その平衡点において安定化できることが示され、そのときの重要な操作条件として、パルスの発生間隔と力積との関係、初期状態と力積との関係などが明らかにされた。これらの条件は制御装置の計画設計において重要な指針を与えるものである。
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