1995 Fiscal Year Annual Research Report
超電導電力貯蔵による風力/ディーゼル発電システムの周波数電圧変動抑制の実験的研究
Project/Area Number |
07650329
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大澤 靖治 神戸大学, 工学部, 教授 (80026294)
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Keywords | 超電導電力貯蔵 / 風力発電 / 系統連系 / 周波数変動 / 電力変動 / 電力制御 |
Research Abstract |
本研究は、超電導電力貯蔵装置(SMES)による風力/ディーゼル発電システムの周波数電圧変動抑制のシミュレーション結果を実験的に検証するとともに、実用化に向けての課題を抽出することを目的とするものである。本年度の研究実施結果ならびに得られた成果は以下の通りである。 現有設備を利用して風力/ディーゼルハイブリッド発電の模擬実験システムを構成した。すなわち、風力(風車)を模擬する誘導電動機に直結された誘導発電機と、ディーゼルエンジンを模擬する直流電動機に直結された同期発電機を、模擬送電線を介して接続し、誘導電動機をインバータで、直流電動機は今回注文製作した電力変換装置で駆動する。負荷の消費電力を一定とし、風力発電の出力をゆっくりと変化してシステムの静特性を測定した結果、風力発電の出力変動による周波数変動によってディーゼル発電の調速機がはたらき、ディーゼル発電の出力を減らすことが確認できた。また、調速機の特性(垂下特性)も明らかになった。 実際の超電導コイルを準備するのが時間的に間に合わなかったので、SMES模擬装置(無効電力は一定とし、電力制御のみをコンバータと抵抗負荷の組み合わせで実現)を製作し、これによってSMESの制御効果を模擬的に検証した。風力発電機を駆動するインバータの周波数を変えることにより風力発電の出力をステップ状に変化させて、系統周波数の過渡的な変化を測定した結果、過渡初期の速い系統周波数変動が、SMES模擬装置を動作させることによって抑制されており、周波数変動抑制に基本的に有効であることが実験的に確かめられた。 次年度は、超電導コイルによる電力、無効電力の同時制御の効果を確認するとともに、より高度な制御方式の開発のための検討を行う予定である。
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