1996 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークによる風力エネルギー賦存量予測に関する研究
Project/Area Number |
07650342
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Research Institution | HACHINOHE INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
松坂 知行 八戸工業大学, 工学部, 教授 (20048177)
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Keywords | 風力発電 / 風況解析 / Wind Atlas |
Research Abstract |
平成7年度の研究結果、風況解析に用いてきたソフトウエアWASPは以下のような欠点をもつことが明らかになった。そこで平成8年度は以下の項目に絞って研究を行った。 1.斜面の角度による誤差 筆者はデンマークのRiso国立研究所で開発されたWASPというソフトウエアを、東北電力の竜飛ウインドパークに適用して実測値との検証をすすめてきた。このソフトウエアは小型の計算機で実行可能であり、3次元起伏、地表粗度、障害物などの要因を考慮してウインドパーク全体の風力エネルギーの賦存量を計算できる。しかしながら、これを実際に適用してみると、斜度の大きい斜面では風速が過大評価され、さらに斜度の大きい方向に風向が集中している場合、誤差の大きいことが分かった。 2.風速の誤差の補正 そこで筆者ははWASPの計算結果をニューラルネットワークで補正する方法を適用してみた。WASPの計算結果は、計算地点の周り360度方向を12等分した各方位ごとの風速を与えるので、傾斜の大きい斜面では隣接方位の風速が大きく変わる。そこでこの結果を利用し、隣接方位の風速の変化をニューラルネットワークに入力し、実際の風速を教師信号としてネットワークを訓練するようにした。訓練したネットワークの重みを使用して計算した結果、WASPの計算結果をうまく補正することができ、実用的な風力エネルギーの賦存量予測ができる見通しがついた。ただし今後適用データを増やして検証する必要がある。
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