1995 Fiscal Year Annual Research Report
超冗長性を有する多自由度マニピュレータ干渉インピーダンス制御による力伝送制御
Project/Area Number |
07650343
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大西 公平 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80137984)
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Keywords | 超冗長性 / 多自由度マニピュレータ / 力伝送制御 / 干渉インピーダンス制御 / 多自由度ロボット / 仮想インピーダンス制御 |
Research Abstract |
従来の冗長マニピュレータの制御では,各関節が独立に制御されているものが多く,自由度が増すにつれて制御系の構成が急速に複雑化する.本研究では,隣接する関節間に干渉インピーダンスという新たな概念を導入し,個々のアクチュエータを精製に制御せずとも,姿勢を含めたマニピュレータの先端位置の制御が可能となる手法を確立している.同時に,各関節に作用する外力を関節ごとにオンライン推定し,推定された外力をフィードバックすることによって設定された仮想インピーダンスに応じた外力応答を得ることを目的としている.上記研究目的を達成するため初年度の研究計画に従い検討を行った。特に,干渉インピーダンス制御による力伝送制御の理論を確立し,下記事項に関してシミュレーションにて検証を行った. -仮想インピーダンスの設定による力制御 -超多自由度マニピュレータを想定したインピーダンス設定による力伝送制御 -冗長性を考慮した障害物の回避経路計画 第1項目に関しては,仮想インピーダンスの設定法を中心にシミュレーションを行った.特に,冗長システム全体の定常的な姿勢制御手法と冗長マニピュレータ先端の過渡的な応答特性を制御するインピーダンス設定法についての検討を行っている. 第2項目に関しては,超冗長マニピュレータを考慮した上で,制御系構成のための座標設定,また設定された座標系に基づいたロバスト制御系の設計指針を明らかにした。超冗長マニピュレータ(マニピュレータの自由度が少なくとも10以上あるマニピュレータ)では,設定された座標系におけるマニピュレータのモデル化誤差がロバスト制御系の安定性に大きく影響を与える.従って,制御系の安定性を第1に考えた仮想インピーダンスの設定が必要となる. 第3項目に関しては,超冗長マニピュレータのアプリケーションの一例として,障害物回避のための経路計画を取り上げ,シミュレーションによりその有効性の確認を行っている. 上記シミュレーション結果を踏まえ,次年度では自由度10以上の超冗長マニピュレータの実機を製作し,実機実験によりシミュレーション結果の検討を行う予定である.
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[Publications] 大西 他: "作業空間オブザ-バに基づく冗長マニピュレータのロバスト制御" 電気学会論文誌D(産業応用部門誌). 115. 991-998 (1995)
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[Publications] 大西 他: "3次元平行移動体のための障害物回避経路の高速計画法" 精密工学会誌. 61. 1545-1550 (1995)
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[Publications] Ohnishi et. al: "A Robust Impedance Control Strategy for Redundant Manipulator" IEEE. International Conference on Industrial Electronics (IECON 95). 2. 1254-1259 (1995)