1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650348
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
川島 照子 福岡工業大学, 工学部, 教授 (60148898)
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Keywords | 超伝導導体 / アルミ安定化 / ホール効果 / 結合損失 |
Research Abstract |
1.今回交付された研究補助金によって,3次元有限要素法による電磁解析を可能にする高速処理可能なCPU(PowerPC604,133MHz),大記憶容量(計128MB),および計算結果の視覚的チェックを容易にする20インチCRTを購入した.これに所属機関からの経常研究費による鮮明な描画を可能にするグラフィックボードおよび外付けハードディスク(4GB)を加え,3次元ホール効果を考慮した素線間結合損失の評価システムを構築した. 2.超伝導導体に特有の捩れた構造を持つ試料について,限られた計算機条件の下で最高の精度の計算結果を得るための3次元要素分割法を明らかにした. 3.構造が比較的単純なモデル導体について,アルミ安定化超伝導大型導体の結合損失に与えるホール効果の3次元的描像を明らかにした.すなわち,(1)ホール効果は常に結合損失を低減する.(2)ホール効果は高純度アルミ内で最も著しいが,その損失への絶対的寄与は小さい.(3)しかし,このアルミ内のホール効果は,損失の大部分をもたらすハンダ内の結合電流の向変え,その結果として結合損失の総量を著しく低減させる. 4.アルミ安定化材を高低抗金属で被覆することは,ホール効果による結合損失の低減効果を減少させはするが,全結合損失の絶対値の低減に著しい効果がある.したがって,実際の導体設計に当たっては,ホール効果による損失の低減を期待せず,アルミ安定化材は高低抗金属で被覆した方が良いことを明らかにした. 5.実際のアルミ安定化超伝導大型導体の中で超伝導素線は捩れながら押しつぶされ変形している.このように不規則な構造を持つ導体の有限要素3次元分割は極めて難しい.この問題解決の第1歩として,素線領域のみの要素分割の問題であるケーブル・イン・コンジット導体の3次元有限要素法電磁解析に挑戦した.
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[Publications] 川島照子 他: "アルミニウム安定化超伝導導体内結合損失のホール効果による変化" 九州大学超伝導科学研究センター報告. 2. 71-76 (1995)
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[Publications] 川島照子 他: "超伝導大型導体の結合損失に及ぼすホール効果の影響" 福岡工業大学エレクトロニクス研究所報. 12. 93-96 (1995)
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[Publications] Fumio SUMYOSHI他: "The Change of Coupling Losses in Aluminum-Stabilized Superconductors Due to the Hall Effect" IEEE Transactions on Applied Superconductivity. 5. 721-724 (1995)
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[Publications] Fumio SUMIYOSHI他: "Measurement of Coupling Losses in Superconducting Cablein-Conduit Conductors Affected by Internal Transverse Electromagnetic Forces" IEEE Transactions on Magnetics. 32. 2838-2841 (1996)
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[Publications] 川島照子 他: "3次元有限要素法による2次より線形超伝導導体の電磁解析 I.断面形状が理想断面である場合" 福岡工業大学エレクトロニクス研究所報. 13. 43-53 (1996)