1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650355
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡本 紘 千葉大学, 工学部, 教授 (90241934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松末 俊夫 千葉大学, 工学部, 講師 (20209547)
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Keywords | ポーラスSi / 陽極酸化 / その場観察 |
Research Abstract |
ポーラスSiは単結晶Siを弗酸溶液中で陽極化成することによって形成される極微細構造であり,これに光を当てたり電流を流したりすると微細構造自身が可視光を発するようになる。 結晶Siは赤外領域で弱い発光を示すのみであることからポ--スSiの可視域での強い発光現象は大きな興味が持たれている。 発光のメカニズムについては量子サイズ効果によるものという説明もあるし,微細構造表面に形成される酸化膜によるという説明もある。しかし実験的には陽極化成とその後に起こる酸化の過程の制御性が乏しく、例えば陽極化成後に試料を大気に取り出す過程で自然酸化膜が形成され,その構造が不安定であるために発光が長波長化してしまい,かつスペクトルも広がってしまう。 そこで、制御された安定なポーラスSi膜を作製するために、陽極化成及び酸化の溶液中に光ファイバーを導入して発光をその場観測することを試みた。 その結果、 (1)弗酸溶液中で陽極化成が進行中はλ=590〜570nm程度の波長で発光するが,時間経過とともに短波長化し強度は低下する。 そのスペクトル幅Δλ=100nm程度である。陽極化成終了後直ちに大気中に試料を取り出すと発光は大幅に長波長化してしまいスペクトルも広くなる(λ=700〜720nm,Δλ=200〜230nm) (2)酸化過程として塩酸メタノール溶液中で通電しながら行う陽極酸化,純水又は硝酸又は硝酸エタノール混液に浸積するだけの化学酸化を試みた結果,純水中酸化が発光強度の経時変化を押さえかつ長波長とスペクトル広がりを少なく押さえることのできる酸化法であることを発見した(λ=640〜720nm,Δλ=130〜150nm)。
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