1995 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液電着法による銅カルコパイライト形半導体薄膜の形成に関する研究
Project/Area Number |
07650381
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
遠藤 三郎 東京理科大学, 工学部, 教授 (90084392)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 恒夫 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70110947)
金子 聰 東京理科大学, 理学部, 教授 (50084314)
|
Keywords | 電着法 / カルコパイライト形半導体 / CuInSe_2 / 薄膜太陽電池 / 三元化合物 |
Research Abstract |
銅カルコパイライト化合物の中でもCuInSe_2(CIS)は,約1.0eVの禁制帯幅をもった直接遷移型半導体であり,他の半導体と比べて吸収係数が大きいという特徴があるため薄膜太陽電池用材料として注目されている.本研究ではCIS薄膜の作製法として電着法に着目した.電着法は電解液中でのイオンの酸化還元反応により基板上に薄膜を作製する方法であり,簡単かつ安価な装置で大面積試料を作製できる利点がある.今回は電着する際にカソードに印加する電位を一定にした従来の方法に加え,電位を方形パルス状にしたパルス電着法についても実験を行い,成膜条件の決定と評価を行った. 初めに定電位電着法で基板をITOにした場合,電解液の組成比をCuCl_2:InCl_3:SeO_2=2:22:6とした時,最も良質なCIS膜が得られた.X線回析強度は従来までのものに比べて各ラインのピークは高く,半値幅も狭くなっている.また(101)面をはじめとするカルコパイライト化合物特有の奇数面のピークも確認された.膜の透過率は膜厚をこれまでの1μmから2μmと厚くしたにもかかわらず,禁制帯に相当する波長以上の光に対し70%以上の透過率を示すものも得られた.伝導型はp型である.これらの事から今回作製されたp-CuInSe_2電着膜の結晶性は従来のものと比べて改善されたといえる. 次に膜表面の平滑化という観点からパルス電着法による作製を行い,成膜条件の検討を行った.その結果カソードに印加する電位や波形(デューティサイクルθ),電界液のpHや温度などの条件がアニール後の膜の組成や構造,表面形態に大きな影響を与えることが明らかになった.現段階でθを10%から100%まで変化させた場合,いずれのθの値でも膜中のCu/In比はパルス電位に大きく依存すること,θの増加と共にCu/In=1(CuInSe_2)の膜が作製できるパルス電位はより卑な電位となることがわかった.
|
Research Products
(1 results)