1995 Fiscal Year Annual Research Report
ECR-MBE法によるGaN系混晶の成長と青色レーザ作成のための基礎的研究
Project/Area Number |
07650385
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
名西 慱之 立命館大学, 理工学部, 教授 (40268157)
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Keywords | 窒化ガリウム / 青色レーザ / ECR-MBE / プラズマ発光分析 / 低温成長 / 原子レベル制御 / イオン / ラジカル |
Research Abstract |
青・紫外領域で発振する半導体レーザの作成に向け、GaN系混晶のECR-MBE法による結晶成長の基本検討を進めている。すでにMOCVD成長によるInGaN/GaN多重量子井戸レーザの415nmでの室温パルス発振が報告されているが、連続発振に向け検討すべき課題は多い。その中で特に重要と考えられる点として、(1)整合性のよい基板結晶の選択 (2)原子レベルでの厚さ制御と平坦性の実現 (3)へき開面による反射ミラーの実現 (4)P形ド-ピングの高濃度化と低抵抗コンタクトの実現、がある。(1)に関しNGO基板は、格子定数の不整合を0.5%まで小さくできるが、水素ガス中での基板の熱的安定性、熱膨張係数差に本質的問題がある。(3)に関し、低温成長が実現出来れば立方晶GaN実現の可能性が出る。N_2を直接原料ガスとして用いれば、水素化による不純物不活性化の問題がなく、(4)に関する問題解決の糸口がつかめる。さらに発散磁界形ECR-MBE法を用いれば、実用的な成長速度も期待出来る。以上の観点に立ってN_2ガスを用いたECR-MBE法で(1)低温化の実現 (2)原子レベルの厚さと平坦性の制御 (3)イオン照射ダメ-ジの軽減化等を当面の目的として研究を進めている。(1)に関し、プラズマ励起効果の有効な利用を目的として、プラズマ発光分光分析の準備を進め、250〜800nmのコンピュータ制御による測定が可能となるとともに、中性励起種発光による337.1nm、イオン発光による391.4nmの量とそれらの比が、プラズマ励起条件(窒素流量、マイクロ波出力)により制御可能なことを実験的に明らかにした。一方基板へのバイアス機構を作成し、イオン照射タメ-ジの制御も可能とした。(2)に関連して、励起種の照射によるGa原子の再脱離機構を取り入れた成長プロセスを提案し、その成果を報告した。また表面平坦性の評価を目的としたAFM-STMの準備も完了した。
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