1996 Fiscal Year Annual Research Report
低電圧動作、大電流密度の真空マイクロデバイスの開発に関する研究
Project/Area Number |
07650400
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Research Institution | OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村田 顕二 大阪府立大学, 工学部, 教授 (30029079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 博昭 大阪府立大学, 工学部, 講師 (90186099)
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Keywords | 微小電子線源 / 電界放出 / ニッケル / シリコン / ホログラフィックリソグラフィ / リフトオフ |
Research Abstract |
微小電子線源を低電圧で動作させるにはゲート,エミッタ間の距離を小さくし,電流密度をあげるにはエミッタの密度を大きくしなければならない.このような微小電子線源を開発するため以下の2つの実験を行った. 1.ニッケル横型微小電子線源の試作 低電圧で動作させるにはゲート,カソード間のギャップおよびカソードの曲率半径は小さい方がよいので,油浸レンズを用いた高解像度光リソグラフィによりパターンを作製した.このパターンをもとにリフトオフ法およびメッキ法でニッケルのパターンを作製した.リフトオフ法で作製されたギャップ長0.3μmの素子は印加電圧30Vで,メッキ法で作製されたギャップ長0.8μmの素子は印加電圧110Vで電界放出が確認できた. 2.高密度縦型シリコンエミッタパターンの作製 2光束の干渉を利用してレジストを露光するホログラフィックリソグラフィで試料を90度回転させて2重露光を行なった.これにより90度交差したグレーティングが露光でき,現像すると周期的なドットパターンができる.この方法で直径0.2μm,周期0.5μmのドットパターンを約2mm四方に作製できた.このエミッタパターンの密度は4×10^6コ/mm^2になる.このドットパターンをもとにシリコンをCF_4プラズマでエッチングしたところアスペクト比のよいシリコンエミッタパターンが作製できた.しかし,エミッタの先鋭度は十分でなく,断面形状は円錐台である.エッチング条件の検討,酸化による先端の先鋭化をはかる必要がある. 今後,低電圧で動作する横型微小電子線源の性能改善を図るとともに,試作した電子線蒸着装置を用いてリフトオウ法で縦型シリコンエミッタを完成させる予定である.
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