1996 Fiscal Year Annual Research Report
高速・低速ネットワークが混在する環境下に適したマルチメディア通信手法の検討
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07650411
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬崎 薫 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10216541)
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Keywords | マルチメディアネットワーク / MPEG / 階層的符号化 / 選択的パケット廃棄 / 通信プロトコル / メディア間優先度 / サブバンド符号化 / フロー制御 |
Research Abstract |
不均質なネットワーク環境下で,映像・音声によるマルチメディア通信を行う場合には,優先度の低いパケットを積極的に廃棄することによって,網リソースの過負荷を回避することができる.本研究では映像と音声という異なるメディア間に渡るパケットの優先度の総合的な取扱い方を新たに導出し,その特性について主観的・客観的評価を行っている.本年度は,研究テーマの基礎的な問題を中心に検討を進めた結果,以下の成果を得た. 画像メディアについて,階層性を有しかつ可逆性をもつ革新的な符号化方式を同出し,その方式の符号化効率等の基本的特性を明らかにすることにより従来方式と比べた優位性を立証した.また,可逆性をもたない階層的な符号化方式についても従来方式より特性の優れた手法をサブバンド符号化の枠組みの中より見い出し,優位性をコンピュータシミュレーションにより解明した. また,ネットワークのふくそう状況をできる限り動的に検出し,フロー制御を行うための新たなプロトコルの枠組みを理論的に検討し,コンピュータシミュレーションによって提案手法の妥当性を明らかにした.本プロトコルはATMのABRサービスに機能追加することによって実現した.また提案手法の妥当性を示すために,MPEG動画像のQ値を動的に変更することによりふくそうが素早く回避できることをシミュレーションによって示した。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 小松邦紀: "濃淡画像の可逆的な変換符号化" 電子情報通信学会論文誌A. J79-A・4. 981-990 (1996)
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[Publications] 小松邦紀: "可逆的サブバンド符号化における高域信号の帯域間相関を利用した分割" 電子情報通信学会論文誌A. J79-A・12. 2032-2038 (1996)
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[Publications] 小松邦紀: "濃淡画像の可逆的帯域領域分割符号化" 電子情報通信学会技術研究報告[画像工学]. 96・44. 1-8 (1996)
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[Publications] J.C.Y.Hsiao: "Fair Bandwidth Sharing Between ER and EFCI Switches" 電子情報通信学会通信ソサイエティ大会. B-734 (1996)
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[Publications] 小松邦紀: "可逆的サブバンドビットプレーン符号化" 電子情報通信学会情報システムソサイエティ大会. D-180 (1996)
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[Publications] 村上恭朗: "ATM網に適したトランスポートプロトコル" 電子情報通信学会通信ソサイエティ大会. B-747 (1996)
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[Publications] 村上恭朗: "QoSを考慮したATM上のトランスポートプロトコル" 電子情報通信学会技術研究報告[CQ]. 96・328. 15-20 (1996)
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[Publications] 小松邦紀: "可逆的サブバンド符号化の段階的画像再生における圧縮効率の向上" PCSJ96画像符号化シンポジウム. 51-52 (1996)
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[Publications] 村上恭朗: "ATMのレートベース型輻輳制御に基づく可変レート動画像転送" 電子情報通信学会技術研究報告[IN]. 96・543. 153-160 (1997)
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[Publications] 村上恭朗: "レートベース型輻輳制御に基づくリアルタイムMPEGビデオ転送" 電子情報通信学会総合大会. B11-2 (1997)
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[Publications] 小松邦紀: "可逆的サブバンド符号化における圧縮効率の向上" 電子情報通信学会総合大会. D-11-52 (1997)