1995 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル拡散多元接続通信の他局間干渉抑圧のための部分相関重み制御法の研究
Project/Area Number |
07650420
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
太刀川 信一 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70155084)
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Keywords | スペクトル拡散 / 多元接続 / 直接拡散 / 遠近問題 / 他局間干渉抑圧 / 部分相互相関 |
Research Abstract |
直接スペクトル拡散多元接続通信システムの(DS/SSMA)における問題点のひとつに,他局間干渉雑音による通信品質の劣化が挙げられる.特に,距離の大幅に異なる利用者が混在し,干渉信号の電力が相対的に大きい場合,すなわち遠近問題が存在する場合は重要な問題となっている.DS/SSMAにおいては,一般に相互相関により発生する他局間干渉雑音は,相関区間を分けて考えると,各箇所に応じてその影響が異なる.この点に注目し,本研究では,受信機でダンプ積分を行う際,干渉の多い部分相関区間には小さな重み付けを行い,干渉の少ない区間には大きな重み付けを行い,それらを加算するという方法で他局の擬似雑音(PN)系列を知ることなしに,相関ダンプ積分後のS/Nの改善を図る方法を提案する. まず,相関区間を分け,重み付けする方法について,その決定アルゴリズムを検討した.このアルゴリズムでは,干渉信号成分と外乱ガウス雑音成分の2次モーメントと4次モーメントの性質が異なることを利用して,その分離を図り,それらの要素の組み合わせで理論推定ビット誤り率を小さくするように選択するものである.この方法によれば,SIRの低い,他局間干渉が支配的な場合には,ビット誤り率特性に大きな改善を与えることができ,さらに、低S/N時でも従来のマッチドフィルタを用いた場合よりも悪い特性になることなく改善特性を得ることができる.本提案システムを使用することにより,一例として,SIRが-60〜30dBの範囲で符号長N=127,Eb/NO=10dBでビット誤り率約2〜5^*10^<-1>を約0.5^*10^<-3>またそれ以上のEb/NOではさらにビット誤り率は小さくできることが確認できた.また,同期捕捉法についても,未知系列干渉除去法による方法を提案し,その効果をシミュレーションにより確認した.
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[Publications] 朝戸秀樹,太刀川信一,丸林元: "部分相関重み制御法によるDS/SSMAの他局間干渉抑圧" 電子情報通信学会論文誌A. (発表予定,採録決定h7.10.26). (1996)
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[Publications] 遠藤慎一,太刀川信一,浜村昌則: "大きな未知系列干渉のあるDS/SS方式の同期捕捉に関する検討" 電子情報通信学会スペクトル拡散研究会技術報告 SST95-37. 7月. 19-24 (1995)
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[Publications] 遠藤慎一,太刀川信一,浜村昌則: "大きな未知系列干渉のあるDS/SS方式の同期捕捉の検討" 電子情報通信学会信越支部大会 F1. 10月. 245-246 (1995)