聴覚障害者の音声コミュニケーションのための双方向音声情報変換システムの開発

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07650439
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 上田 裕市 熊本大学, 工学部, 助教授 (00141961)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 池田 隆 久留米工業高等専門学校, 助教授 (80222884) ; 渡邊 亮 熊本大学, 工学部, 教授 (50040382)
• Keywords: 聴覚障害者 / 補聴器 / コミュニケーション手段 / 劣化音声 / 音声強調 / 音声合成 / ディジタルシグナルプロセッサ / 実時間処理

Research Abstract

本年度分の研究実績の概要は以下のとおりである。
1.声質変換補聴方式の処理アルゴリズムの検討
難聴者から健聴者への音声提供のための劣化音声の復元あるいは難聴者への補聴音声の提供の双方向通信のための新たな声質変換補聴方式の詳細な検討を行った。声質変換時の自然性改善のためのスペクトル周波数軸伸縮処理及びピッチ周期の微細制御方式を新たに提案した。また、話速変換処理アルゴリズム及びスペクトル圧縮処理を付加することで、総合的な声質変換補聴処理を確立した。
2.スピーチプロセッサの製作
音声情報の触覚変換のための音声特徴抽出あるいは声質変換補聴音声のための音声分析・合成に用いることを目的として、従来より小型で高性能のDSPを用いたスピーチプロセッサを試作し、二つの処理アルゴリズムの実装を行い、動作を確認した。
健聴者による聴取実験により、上記1.の効果は確認できたが、難聴者による実験は本年度内に実施するには至らなかった。

Research Products

• [Publications] Yuichi Ueda: "A Digital Hearing Acid based on A composite Filtening Compression and Its Assesment" Proceedings of ASA-ASJ 3rd Joint Meeting. 257-260 (1996)
• [Publications] 上田裕市: "声質変換加工に基づく補聴処理方式の検討" 日本音響学会春季研究発表会論文集. 421-422 (1996)
• [Publications] 上田裕市: "外部調整機能を考慮したDSP補聴装置の試作" 日本音響学会春季研究発表会論文集. 423-424 (1996)
• [Publications] 上田裕市: "声質変換補聴音声の自然性に関する評価" 日本音響学会秋季研究発表会論文集. 403-404 (1996)
• [Publications] 上田裕市: "声質変換補聴音声のためのピッチ制御方式に関する検討" 日本音響学会春季研究発表会論文集. (発表予定). (1997)