1996 Fiscal Year Annual Research Report
開放大気中への放出ガスフラックスのレーザによる新しい遠隔測定法
Project/Area Number |
07650496
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
古賀 隆治 岡山大学, 工学部, 教授 (20027147)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 直己 福山大学, 工学部, 講師 (80258300)
王 明 岡山大学, 大学院櫟然科学研究科, 助手 (60253019)
|
Keywords | シンチレーション / メタンガス / 赤外スペクトル / 大気中濃度 / 放出量 / 鉛塩半導体レーザ / DSP / 時間分解能 |
Research Abstract |
大気中のレーザビームは、大気中の成分、密度、温度のゆらぎにより伝播の様子が変化する。地中から発生するメタンガスの量は、地中からの発生量および地表面での化学的活性度の変化に従って日変化するとともに大気の流体力学的運動によって大気中の濃度と分布が支配される。メタンガスが明瞭な吸収線を有する7μmのレーザビームに対し、1Hz以下の領域にはメタンガスの量のゆらぎによる変動が存在し、10Hz以上の領域では大気のシンチレーションによる変動が周波数が高くなるにつれて急激に減少することを筆者らは発見した。すなわち、数ミリ秒以下の極めて短い時間内に大気の吸収スペクトルを測定すると、シンチレーションの影響は避けられる。この原理を実行する観測装置を設計・試作そして野外での運用実験を行った。 実験装置はここ数年の間に急激に実用化したディジタル信号処理方法を採用、10Mサンプル/秒という高速データレートとディジタルシグナルプロセッサ(DSP)集積回路を利用するものである。実験の結果、予定通りの性能が得られた。野外実験では、機器の実装上の問題、特に機械的安定性を確保するための設計上の知見が多く得られた。 大気濃度ゆらぎについてもシンチレーションとこれを分離して測定できることを実証できた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] N.Kagawa,O.Wada,R.Koga: "Calculation of PSDF of scintillation for 7 μ m band TDL beam around water vapour line" Infrared Physics and Technology. 37巻. 13-19 (1996)
-
[Publications] R.Koga,O.Wada,他: "Quick scanning TDL spectrometry for atmospheric trace gas monitoring with anti-scintillation performance" International Symposium on Optical Science,Engineering,and Instrumentation,Denver,USA,SPIE. 2834巻. 142-147 (1996)
-
[Publications] N.Kagawa,O.Wada,R.Koga: "Fluctuation Spectra for An Infrared Laser Beam Propagating Horizontally in The Open Atmosphere" International Symposium on Optical Science,Engineering,and Instrumentation,Denver,USA,. 2815巻. 138-144 (:1996)