1996 Fiscal Year Annual Research Report
音響的フーリエ変換による超音波リアルタイムイメージング
Project/Area Number |
07650508
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中島 真人 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20051766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 いわき 湘南工科大学, 工学部, 教授 (80192912)
斉藤 英雄 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (90245605)
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Keywords | 超音波 / 極限環境 / 不可視情報 / リアルタイム / イメージング / フーリエ変換 / ホログラフィ |
Research Abstract |
本研究の目的は,(1)物体情報のフーリエ変換を音波によって瞬時に行い,その情報を計算機内に取り込んで高速に逆フーリエ変換することにより像再生を行う新たな手法を開発すること,また(2)ガラス,ステンレス等光学的な取扱いが困難な物体や火災,霧内および汚泥中といった極限状況下に存在する物体を高速に映像化する実験を行って,本手法の有効性を検証することである. 本科学研究費交付時の計画では,本年度中に実験システムを製作し,上記の映像化実験を行うことになっていた.以下,本年度行った研究の内容と成果について述べる. 前年度試作したシステムによる実験結果から,良好な再生像を得るには送信面の位相遅延精度に対する要求が厳し過ぎること,また送信面と受信面の間に物体を置くという制約が,実用を考える上での過大な障害であることを確認した. そこで,これらの問題を解決するために,本システムの基本構成を再検討し,以下のような反射型のシステム構成に変更することにした.すなわち1つの送信素子の周囲に多数の受信素子を配列した送受信アレイの前方に,物体および参照音源を並べ,それらが同一円周上にあるように配置するのである.すると,物体からの反射波と参照波との干渉により,受信面上に物体のフーリエ変換が得られる.そして実際に製作するシステムでは,物体の近傍に参照音源を配置せずに,受信アレイに受かる超音波の時系列信号に参照信号を電気加算することによって干渉させることにした.また,参照信号の遅延量を調節するために,パルスエコー法により物体までの距離を測定するオートフォーカス機能を付加した.このようなシステムを製作し,光学的に透明な物体の例としてアクリル製の物体(簡単な幾何学形状,アルファベット文字),また,極限環境下の例として煙中の物体の像再生を行った.その結果,各々の物体が高速かつ良好に映像化され,本手法の有効性が確認された.
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