1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
小寺 正敏 大阪工業大学, 工学部, 教授 (40170279)
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Keywords | 磁束観察 / 走査電子顕微鏡法 / Type-I磁気コントラスト / マイクロチャンネルプレート / 高温超伝導薄膜 |
Research Abstract |
現在までのところ、本研究で採用する、走査電子顕微鏡法におけるいわゆるType-I磁気コントラストを用いて超伝導薄膜貫通磁束の定量分析や観察を行った例は報告されていない。本方法によるシステムを実現することによってリアルタイムでしかも厚い試料でも表面の磁束を観察することが可能となり、磁束量子のピン止めを起こしている原因物質、試料構造、欠陥などについての重要な知見が得られる可能性がある。本研究では、まず、試料の磁化構造(磁化の強さ、透磁率、磁区の三次元的構造)と、走査電子顕微鏡試料室内の構造(二次電子検出器の形状とその電位、検出器の位置)等に現実的な値を想定して、試料表面から放出される磁束、試料表面付近の電界を数値計算によって求めた。この静磁界・静電界中に、試料表面からエネルギー分布および角度分布を持って放出される二次電子軌道を三次元座標によって計算した。このシミュレーションによって実際に装置を組み上げた状態で期待されるType-I磁気コントラストの値を求めることができた。コントラストとして用いたのは二次電子の検出器表面上での到達位置分布を用いる。これにより、試料表面から放出されるときに二次電子の持つ角度分布、エネルギー分布を考慮して原理的にこの測定法に含まれてしまうノイズの大きさを定量化した。また、この場合の信号対ノイズの値を大きくとり本方法での感度を向上させるための方策とその時に得られる感度を定量化した。この様にシミュレーションによって得られた結果を基に高温超伝導薄膜の磁化情報を読みとることができるように現在実験を進めている。実験では、まず予備的に磁性体薄膜の観察を行い、Type-I磁気コントラストの性質をシミュレーション結果と比較し計算の妥当性を確認した。また、本研究の実験に用いる走査電子顕微鏡試料室内の低温試料台の温度としては30°Kまで到達することを確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小寺正敏: "Performance Evaluation of the Mott polavineter in the Electron Spin polarization Scanning Electron Microscopy" Digest of Papers MicroProcess'96. 152-155 (1996)
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[Publications] 小寺正敏: "Evaluation of the Mott Polarimeter in the Electron Spin Polarization Scanning Electron Microscopy" Jpn.J.Appl.Phys.35. 6614-6619 (1996)