1995 Fiscal Year Annual Research Report
交流インピーダンス法によるコンクリートの鉄筋腐食の新しい検査法の開発
Project/Area Number |
07650526
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鳥居 和之 金沢大学, 工学部, 助教授 (50115250)
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Keywords | 交流インピーダンス法 / 比抵抗 / AASHTO T277 / 塩化物イオンの拡散係数 / 細孔径分布 / 鉱物質混和材 / 鉄筋腐食 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
鉄筋コンクリート構造物の早期劣化の問題が指摘されて久しいが、厳しい塩分腐食環境下におかれた鉄筋コンクリート構造物では比較的短い期間に何らかの形で鉄筋腐食に伴う劣化・変状が現れるのが通常である。鉄筋コンクリート構造物の維持管理や補修法を決定するための検査法には、コンクリート中の鉄筋とかぶりコンクリートの状況を現場にてリアルタイムに把握できることが重要であり、また将来にわたる鉄筋腐食の進行を初期段階にて精度良く予測するには、かぶりコンクリートの塩化物イオン、酸素の透過性および鉄筋に対する保護機能を総合的に判断できるような検査法が望まれている。このような観点より、セメント硬化体の比抵抗と細孔構造、細孔溶液の組成との関係について詳細に検討することにより、比抵抗の測定によるコンクリートの鉄筋腐食の新しい検査法の開発を試みた。 セメント硬化体の比抵抗を交流電気抵抗装置により測定した結果、セメント硬化体の比抵抗に及ぼす水/セメント比およびフライアッシュ置換率の影響について明らかにすることができた。セメント硬化体における比抵抗の変化は、高圧抽出法により求めた細孔溶液の組成および水銀圧入式ポロシメータによる細孔径分布の変化と密接に関係しており、両者よりセメント硬化体の比抵抗を推定できることを示した。一方、かぶりコンクリートの性質と鉄筋腐食との関連性を調べるために、約5年間海洋環境下に放置した鉄筋埋設コンクリート供試体の腐食状況および電気化学的特性値を調べた。その結果、鉱物質混和材(フライアッシュ、高炉スラグ微粉末およびシリカフューム)を使用したコンクリートは、普通ポルトランドセメントコンクリートよりも鉄筋の腐食が軽微であったが、この結果はコンクリートの塩分浸透性の相違によるものであり、コンクリートの比抵抗および急速塩化物イオン透過性試験(AASHTO T-277)の結果とも良く対応していた。
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