1996 Fiscal Year Annual Research Report
断層の固着すべり機構を考慮に入れた地震動の生成に関する研究
Project/Area Number |
07650547
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
三浦 房紀 山口大学, 工学部, 教授 (60109072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 浩一 山口大学, 工学部, 助手 (50263794)
清野 純史 山口大学, 工学部, 助教授 (00161597)
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Keywords | 断層運動 / 断層モデル / 数値シミュレーション / 有限要素法 / 固着すべり破壊実験 / ジョイント要素 / 構成則 |
Research Abstract |
本研究は、岩石の固着すべり破壊実験で得られた構成則を組み込んだ非線形動的有限要素法により、そのすべり破壊過程をシミュレーションし、実験結果と比較することにより、本手法の有効性の検討、そして実際の断層運動への適用性を検討したものである。具体的には岩石の切断面を修正ジョイント要素で表現し、この構成関係に実験で観測された構成則をモデル化して与えた。そして、減衰定数、最大せん断強度に達するすべり量、残留強度についてパラメトリックスタディを行った。その結果以下のような知見を得た。 (1)岩石の固着すべり実験に基づく構成則をジョイント要素に適用した。この構成則は降伏後瞬時に残留強度になるのではなく、すべり量に対して指数関数的に応力降下が起こるもので、スリップウイ-クニングモデルに属するものである。 (2)スリップウイ-クニングに先だって、応力とすべり量がほぼ線形関係にあるスリップハードニングの領域が存在するが、この線形関係を修正ジョイント要素のせん断ばね定数で表し、ジョイント要素のせん断ばねに物理的意味をもたせた。 (3)すべり量の立ち上がり状況やすべり速度の分布など岩石実験結果をよく再現することができた。解析で得られた最大すべり加速度は、実験的に求まった最大すべり加速度とほぼ一致していた。 (4)このほか減衰定数、最大せん断強度に達するすべり量、残留強度に関する結果も、本解析手法の妥当性を示すものであった。 これらのことから、本研究で構築した構成則を用いて解析された破壊の先端域の動特性は、実験結果をよく再現しており、本手法の有効性を確認できたものと考える。
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[Publications] 坪井利弘,三浦房紀: "断層運動を模擬する岩石滑り破壊実験の有限要素解析" 土木学会論文集. No537/I-35. 61-76 (1996)
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[Publications] J.Kiyono and M.Suzuki: "Conditional simulation of stochastic waves by using kalman Filter and kriglng technique" Proc.of the 11th World Conf.on Earthg.Eng.No1620. (1996)
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[Publications] 清野純史,三浦房紀,瀧本浩一: "被災時の群集避難行動シミュレーションへの個別要素法の適用について" 土木学会論文集. No537/I-35. 233-244 (1996)