1996 Fiscal Year Annual Research Report
異方性材料より成る面構造の衝撃応答解析手法に関する研究
Project/Area Number |
07650551
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 治俊 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (40047395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 宏明 大阪市立大学, 工学部, 助手 (40177879)
園田 恵一郎 大阪市立大学, 工学部, 教授 (70047108)
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Keywords | 衝撃応答 / 平板 / 異方性 / 応力波伝播 / 固有関数展開法 / 動弾性論 |
Research Abstract |
巨視的に異方性と見なすことが可能な材料として人工的な複合材料,また自然界にも亜鉛などがある.本研究は,このような異方性材料から成る面構造が衝撃荷重の作用の元で,曲げ状態に入るまでの過渡状態すなわち応波力の伝播特性が応答に影響を与える時間帯での解析的に正確な取り扱い方の出来る固有関数展開法を開発した.それを元に昨年度は,(1)軸対称等方性円板,および(2)平面ひずみ状態にある横等方性平板を解析し,異方性の与える動特性を明らかにし,衝撃破壊現象の基礎的データーを与えた. 昨年度は,上記有限体のスパン方向の端面が応力波動に及ぼす影響を明らかにするため,端面のない無限板および無限帯板について研究を行った.その研究実績を以下に述べる. 【1】異方性無限板衝撃応答 軸対称横等方性無限板,すなわち板が厚み方向に異方性軸を持つ場合を,三次元動弾性論に基づく支配式を半径方向にハンケル積分表示した調和解析法を用いることにより厚み方向の解形式を決定し,続いて自由振動解析により固有値を定め固有関数(振動モード関数)を決定した.その後,固有関数展開法により衝撃解析の定式化を行い,数値計算を行った.使用した材料は,自然界に存在するものとしてマグネシウムや亜鉛,また人工的に産み出すことができ近年盛んに活用されている複合材料の内のエポキシ系材料であり,これらを対象とした数値結果を等方性材料の場合と比較検討し,異方性の与える動特性への影響を明らかにした. 【2】異方性無限帯板の衝撃応答 円板と同様に厚み方向が異方性である平面ひずみ状態にある無限帯板の衝撃解析を行った.解析方法も円板と同じく三次元動弾性論に基づく固有関数展開法であり,フーリエ積分による調和解析により厚み方向の解形式を決定し,続いて自由診断解析により固有値を定め固有関数を決定し,その後円板同様に,衝撃応答解を求め,数値解析を行い,その結果を等方性材料の場合と比較検討し,異方性の与える動特性への影響を明らかにした. 以上の結果から,材料異方性の影響は,応答周期や変位応答の大小には大きく影響があるが,応力の大小にはそれ程影響を与えないことが判明した.
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