1996 Fiscal Year Annual Research Report
ウオータージェットを用いた新旧コンクリートの打継ぎに関する研究
Project/Area Number |
07650554
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 一郎 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40083878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫田 恵三 東海大学, 海洋学部, 助教授 (50056230)
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Keywords | ウオータージェット / ロータリージェット / 表面処理 / 処理深さ / 鉛直打継ぎ / 打継強度 / 曲げ強度比 / ブリージング |
Research Abstract |
最終年度では1)ウオータージェットの処理条件と処理深さ、2)打継強度と処理深さ、3)鉛直打継ぎとブリージングの関係、4)処理深さとせん断抵抗および5)ウオータージェット工法を用いた表面処理工法手順について検討した。 1)について、ウオータージェットを施工する際に所要の処理深さを得るための支配的条件は水圧であるから、水圧を500、1000、1500kgf/cm2と設定し1往復、2往復あるいは3往復の処理作業を行って、0.8から14.7mmの処理深さを得た。その結果、処理深さは水圧および処理回数が大きくなる程指数関数的に増大することが明らかとなった。 2)について、打継強度を表す曲げ強度比は処理深さが5mないし7mmで80%以上を示し、これは採用できる強度と考えられた。鉛直打継ぎの場合は、ブリージングによって処理面に不純物が付着するため大きな打継強度が得られない場合が生じ易い。本研究では鉛直打継ぎの場合のみを対象として実験的に検討したところ、ロータリージェット処理工法を用いて所定の処理深さを設定すると、曲げ強度比が80%以上となることを確認できた。 打継目のせん断抵抗は、曲げせん断試験によって検討した。この場合、粗骨材の露出度を定量的に設定するために鋼球を埋め込み、その面を処理して打ち継ぎを行った。ブリージングの影響を受けて不純物の付着した面の場合は噛み合わせが期待出来ず、大きな打継強度は得られなかった。ウオータージェットを用いた新・旧コンクリートの打ち継ぎにおいては、旧コンクリートの強度に応じて所要の処理深さを得るための処理条件すなわち水圧を設定することが重要である。新コンクリートの打ち継ぎに際しては、処理面への付着物が無いように管理し、ブリージングの少ないコンクリートを打設する。以上によって、曲げ強度比80%の打継強度を補助工法無しに得ることができると考える。
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[Publications] Ichiro ADACHI,Shigemi SAKODA Teruo YAHIRO: "AN EXPERIMENTAL STUDY OF THE TREATMENT OF CONSTRUCTION JOINTS IN CONCRETE STRUCTURES USING WATER JET METHOD" The 4th Pacific Rim International Conference on WATER JET TECHNOLOGY. 371-378 (1995)
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[Publications] 迫田恵三、足立一郎: "ウオータージェットを用いた新旧コンクリートの打継ぎに関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.17,No1. 1261-1266 (1995)
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[Publications] 五十嵐英幸、足立一郎: "AE法を用いた打継ぎコンクリートの破壊過程に関する一研究" 土木学会第50回年次学術講演会概要集. 408-409 (1995)
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[Publications] 足立一郎、五十嵐英幸、迫田恵三: "新旧コンクリートの打継ぎ強度試験におけるAE計測" 第10回アコースティック・エミッション総合コンファレンス論文集. 179-184 (1995)
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[Publications] 足立一郎、五十嵐英幸、迫田恵三、八尋輝夫: "ウオータージェットを用いた新旧コンクリートの打継ぎに関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.18,No1. 1353-1358 (1996)
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[Publications] 足立一郎、迫田恵三: "表面処理工法が新・旧コンクリートの打継強度に与える影響" 第23回セメント・コンクリート研究討論会論文報告集. 130-133 (1996)