1995 Fiscal Year Annual Research Report
ケーブル部材の減衰定数,張力および曲げ剛性の同時同定法に関する研究
Project/Area Number |
07650557
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
頭井 洋 摂南大学, 工学部, 教授 (30236062)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 弘之 摂南大学, 工学部, 教授 (80026054)
波田 凱夫 摂南大学, 工学部, 教授 (30198379)
|
Keywords | ケーブル張力 / 振動法 / 張力計測 / 曲げ剛性 / 拡張カルマンフィルター |
Research Abstract |
ケーブル構造の架設の際用いられる振動法による張力計測やケーブル制振対策として利用されるダンパーの最適設計において必要となるケーブルの曲げ剛性を単体ケーブルの加振試験による振動計測値より、ケーブル張力と同時に推定できる同定手法を開発しようとしている。張力と曲げ剛性やケーブル傾斜、サグなどを考慮した運動方程式は非線形になるので、先に提案した張力の実用算定式における関係式を用いて線形化した関係式を利用しているが、その際、算定式の適用範囲に制限があり、張力が小さい領域では誤差が大きくなるので、算定式の見直しを行い、張力が小さい場合にも精度よく適用できる算定式を作成した。その成果は、土木学会論文集のノートとして掲載された。数値シミュレーションによる基本的な検討およびアルミ板を用いた小型模型実験により、加振力として正弦波形を用いた場合の拡張カルマンフィルターによる同定精度は良好な結果を得ることができ、本手法の有用性を確認できた。また、加振力としてランダム波を用いた場合についてもバンドパスフィルターにより着目する振動数成分のみを取り出す前処理を行うことにより、良好な結果を得ることができた。さらに、拡張カルマンフィルターとは別に、時間領域における可制御標準系で表現したARMAモデルによる伝達関数の係数パラメータ同定を最尤法など最適化手法を用いて行った後、これより張力と曲げ剛性および減衰定数を同定する手法を開発中である。現在のところ、数値シミュレーションによる基本的な検討結果しか行えていないが、加振力として正弦波形を用いた場合については良好な結果を得ている。加振力として、ランダム波や打撃加振を用いた場合について、数値シミュレーションおよび小型模型実験により、検討を進めていく予定である。
|
Research Products
(1 results)