1996 Fiscal Year Annual Research Report
懸濁液型グラウトの流動ならびに土中浸透特性に関する研究
Project/Area Number |
07650576
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
本間 重雄 東海大学, 工学部, 教授 (80119700)
|
Keywords | 地盤改良 / 注入工法 / 物理的安定処理 / グラウチング / 浸透 / 非ニュートン流体 |
Research Abstract |
平成8年度は、前年度の研究成果(懸濁液型グラウトの流動特性および浸透特性に関する実験結果)をふまえ、グラウチングにおける土中の間隙圧分布と注入範囲の定量的評価に関する実験的検討を行った。実験は前年度使用したグラウト供給タンクに、試料砂を充填した長さ1.5m(内径30mm,厚10mm)の透明アクリル管を鉛直に接続し、所定の配合のグラウトを飽和砂柱下部より定圧で注入した。グラウトが浸透を停止したときの試料中の圧力勾配は各注入圧に対して配合条件ごと一様な分布を呈し、流動停止時の限界圧力勾配とグラウトの流動特性との間には理論的検討(研究成果報告書)で示されたとおり一定の関係があることが確認された。また、グラウトの浸透フロント(最大浸透距離)も1次元注入条件下では注入圧に比例して増大する結果が得られた。 そこで、グラウトの流動特性(降伏応力、粘性係数)ならびに浸透特性(限界圧力勾配、透過係数)から得られる浸透流速と間隙圧分布を実験データと比較した結果、両者は全般的に良い一致を示し、配合グラウトの流動・浸透特性より懸濁液型グラウトの地盤中への注入の可否ならびに最大可能な浸透距離を推定し得るとの結論を得た。ただし、飽和砂中への注入においては浸透過程における間隙水との希釈・分散により、実際の間隙圧の勾配は流動特性より求まる限界圧力勾配より小さな値を示すため、今後分散の影響を評価しうる注入理論の展開が必要と思われる。以上の研究成果は、平成7年度土質工学研究発表会、平成8年度東海大学紀要工学部および第2回地盤改良国際会議(東京)にて発表した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 本間重雄: "The seepage resistance of suspension-type grouts in soils" Proceedings of the second international conference on Ground Improvement Geosystems. 1. 37-40 (1996)
-
[Publications] 本間重雄: "Mobility and permeability characteristics of suspension-type grouts" Proceedings of the school of engineering,Tokai University. 21. 37-46 (1996)
-
[Publications] 本間重雄: "懸濁液型グラウトの土中浸透抵抗" 第30回土質工学研究発表会概要集. 3. 2097-2098 (1995)
-
[Publications] 本間重雄: "A study of the seepage resistance of suspension-type grouts in soils" International Chemical Engineering. 33. 315-325 (1993)
-
[Publications] 本間重雄(共著): "地盤調査法" 地盤工学会, 648 (1995)