1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650600
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中川 一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80144393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 尚 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10165558)
井上 和也 京都大学, 防災研究所, 教授 (50026126)
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Keywords | 流木 / 拡散 / 土石流 / 波動 / 高潮 / 渦運動 / 堆積 |
Research Abstract |
流木群の拡散係数,回転角速度に関する研究に関しては,流木模型に対し,開水路流静水中での流木の拡散係数と回転角速度に関する水理模型実験を行い,流木の横および縦拡散係数,回転角速度とフル-ド数との関係を明らかにした.流木群の流動のシミュレーション手法に関する研究については,流木群の拡散係数および回転角速度に関する実験成果を用いて,流木の重心に関する並進運動および回転運動を力学的に評価し,流木運動をラグランジュ的に追跡するとともに,流水の流動をオイラー的に解析して両者をカップリングする手法を開発した.その際,流木の拡散位置と回転角速度の変動が流木運動にとって重要であることから,これらの変動量を確率論的に評価する手法を導入した.流体運動のシミュレーション手法は,平面二次元流れの基礎方程式を差分化し,時間積分にはアダムス・バシュホ-ス法を,移流項の積分にはQUICK法を導入して計算精度の向上を図った.本解析手法によって,清水流中での流木群の流動に関する水理実験結果が極めてうまく説明されることがわかった.鉛直加速度を考慮する必要があるような波動場の流れの解析手法を開発し,粘性項のパラメータを適当に設定することで波状跳水の特性量が再現できることがわかった.また,止水域を有する場での流れについても多くの知見を得ている.このような流れの場での流木などの浮遊物体などの運動特性についても水理模型実験および数値シミュレーションを行って,浮遊物体の拡散現象について有用な知見を得ている.潮汐や高潮などによって流木群が湾内で拡散する問題を解決するために,高潮に関する数値解析法とそのような場での流木群の流動に関するシミュレーション手法の開発を行った.その際,風の影響を考慮した流木運動の解析が重要であることが判明した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中川一: "流木に作用する流体力の評価と流木の流動・堆積に関する研究" 土木学会水理委員会基礎水理部会研究分科会報告書. 55-73 (1996)
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[Publications] 中川一・他: "計画土石流の設定と避難計画" 京都大学防災研究所年報. 第39号B-2. 347-371 (1996)
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[Publications] 戸田圭一・井上和也・他: "狭窄部を有する渦流式立坑の水理特性について" 水工学論文集. 第40巻. 655-660 (1996)
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[Publications] 井上和也・他: "沿岸域における河川流出水の拡がりの解析" 水工学論文集. 第40巻. 473-478 (1996)
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[Publications] 木村一郎・細田尚・他: "平面二層モデルによる複断面開水路流れの水平渦運動解析" 水工学論文集. 第40巻. 699-704 (1996)