1996 Fiscal Year Annual Research Report
水みちの不安定性と水みちによる河床侵食に関する研究
Project/Area Number |
07650602
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤田 正治 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60181369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧谷 治 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00165127)
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Keywords | 水みち / 蛇行流路 / 河床侵食 / 2次元河床変動 / 河床形態 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
水みちの形成および変動過程に関して,混合砂の場合に対して実験的に検討するとともに,これらの過程を計算する数値シミュレーション法の開発とその適用を行った. 1.混合砂礫の場合の水みちの侵食過程 初期に反砂堆が形成され,掃流力の小さい部分に最大粒径のオーダー砂礫が停止し,砂礫の堆積帯が形成される.そのような河床の凹凸が起因となって流水が片寄ることによって水みちが形成された.水みちは横侵食と縦侵食によってより安定な状態へ移行する.その際,粒径の大きな砂礫で構成される浮州の発達により,縦横断に粒径の分級が生じるのが特徴である.水みちが一旦形成され安定したかに見えた水みちでも,細砂の抜け出しによって河床が不安定化し,河床の侵食が間欠的に発生した. 2.水みちによる河床侵食のモデルの構築 浅水流方程式に基づく2次元河床変動モデルにより,人工的に描かれた不規則な形状の多列砂州からの水みちの発生発達過程を計算する方法を浮州の発生と消滅の条件,河岸侵食等を考慮して提示した.短時間の水みちの変化をシミュレーションした結果,水みちの変化が本手法でほぼ説明でき,この手法の精度が検証された. 3.水みちによる河床侵食モデルの適用 動的平衡河道の場合について,不規則な多列砂州から水みちの変動過程を長時間計算した結果,計算でも実験と同様に2本の水みちが発生し,波長についてもほぼ再現できたが,実験と違って水みちが変動せず固定化された.これは側岸付近の深掘れの形成やそこに形成される渦による侵食領域の微妙な形状の変化が説明できないためであり,ここで提示したモデルでは水みちの変動が十分再現できないものと思われる.
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[Publications] 永瀬恭一: "狭窄部を持つ山地河川の河床変動計算" 水工学論文集. 40. 887-892 (1996)
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[Publications] 道上正〓: "山地河川の流路変動に関する研究" 第48回土木学会中国支部研究発表会発表概要集. 213-214 (1996)
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[Publications] 永瀬恭一: "混合砂を用いた山地河川の河床変動実験" 第51回土木学会年次学術講演会講演概要集. 第2部. 596-597 (1996)