1995 Fiscal Year Annual Research Report
多時点交通機関選好意識データを用いたダイナミックモデルに関する研究
Project/Area Number |
07650625
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉恵 頼寧 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (70034410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大東 延幸 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (60274130)
藤原 章正 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (50181409)
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Keywords | ダイナミック / 選好意識データ / パネルデータ / ロジットモデル / マスポイント手法 / 異質性 |
Research Abstract |
本研究は交通行動現象に存在する異質性に着目し,時点数の少ない縦断データを用いて,従来の研究では無視された異質性をモデルに明確に取り込み,さらに交通行動の時間的な変化を同時に考慮したダイナミックモデルを提案しようとするものである。まず、広島都市圈のJR阿品新液の利用実態に関する3時点パネル調査データを用いて,交通機関選択の非集計ロジットモデルを対象に、観測異質性と非観測異質性の存在を統計的に検定した。つぎに、今までの交通行動モデルの中では考慮されていない非観測異質性を考慮するため,固定効果と確率効果アプローチをそれぞれ検討した。その結果,従来の固定効果をもつロジットモデルの問題点を指摘した上で,新たなモデル構造を提案し,その適用可能性を示した。確率効果をもつロジットモデルとして,推定が簡単なMass Point手法を2項ロジットモデルに適用し、2項Mass Pointモデルの精度が向上したこと,両Mass Point手法を多項ロジットモデルに拡張し,多項Mass Pointモデルも有効であることが分かった。さらに,Mass Point手法により非観測異質性と状態依存の推定結果には差がないこと,およびそのパラメータの特徴を明らかにした。そして、Mass Point手法を同時に考慮したダイナミックMass Pointモデルを構築し,状態依存効果の存在を確認すると同時に,前時点の選択結果を取り入れたダイナミックMass Pointモデルの有効性を実証した。
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