1996 Fiscal Year Annual Research Report
多時点交通機関選好意識データを用いたダイナミックモデルに関する研究
Project/Area Number |
07650625
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉恵 頼寧 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (70034410)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 峻屹 広島大学, 工学部, 助手 (20284169)
藤原 章正 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (50181409)
|
Keywords | 選好意識 / ダイナミック / パネル / マスポイント手法 / 交通手段選択 |
Research Abstract |
パネルデータを用いてモデリングを行う場合、パネルデータに存在するバイアス、特に回答バイアスをどう修正するかという問題が生じる。即ち回答バイアスは個人に関しても時間に関しても均質であれば、パネルデータを用いた従来の交通行動モデルには何の問題もないが、実際にはそうではない。時点数の少ないパネルデータ(現実的に最もよく採用されるタイプ)において、むしろこのようなバイアスは時間的に変化せずに、個人間で異なると考える方が自然である。この場合、従来の交通行動モデルを修正する必要性が生じる。本研究はこの問題に対処するためにMass Point手法の適用を提案するものである。 データとしては、1987年から1994年にかけて広島都市圏で得られたパネルデータを利用する。このパネルデータは5時点のSPパネルデータ(1987、1988、1990、1993、1994年)と1時点のRPデータ(1994年)とからなる。このパネルデータは地域住民が1994年に開通した新交通システムを開通前どのように選好し、開通後どう利用しているかを調べるものである。パネル調査が進行するにつれ、離脱する回答者がいるため、そのつど更新サンプルが補充される。したがって、個人によって参加パターン(つまり、参加回数)が異なる。この場合、純粋なパネルデータと更新サンプルを同時に扱う必要がある。Mass Point手法はこのようなデータに容易に対応することができる。そこで、静的・動的交通機関選好モデルをMass Point手法適用の有無に分けて推定し、モデルの現況再現性とRPデータへの時間的移転可能性に基づいてMass Point手法の有効性を実証した。
|