1995 Fiscal Year Annual Research Report
財源難を想定した〈福祉バス〉運用システムの効率化に関する研究
Project/Area Number |
07650630
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
渡辺 千賀恵 九州東海大学, 工学部, 教授 (90029330)
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Keywords | 福祉交通 / 福祉バス / 移送サービス / 福祉財源 / 運行効率 |
Research Abstract |
平成7年度は研究期間の初年度にあたり、研究作業はほぼ当初の予定どおり進行した。 1.先行研究の分析-福祉交通に関する文献を収集して、その諸データ(図表など)をカード化したあと、対象ごとの頻度分布を調べて研究の偏りを分析した。その結果、高齢者・身障者の一般的な交通行動は調査されてきているものの、福祉バスについての研究例は極めて少ないことが明らかになった。 2.アンケート票の設計-熊本市希望荘の福祉バス「あゆみ号」の運行を詳しく取材し、一方でルポルタージュ「福祉バスの実像」を執筆するとともに、他方では並行して、全国福祉バスアンケートの調査票を設計した(質問数29項目)。福祉バスの全体像が明らかになっていない段階で調査票を設計するのは、容易ではない作業であった。 3.福祉バスアンケート調査の実施-全国の公営福祉センター196団体に対してアンケート調査を実施し(回収率80.0%)、単純集計をすべて終えるとともに、主要なクロス集計を終えた。その結果、(1)福祉バスの導入は1980年から急増し、すでに72%の団体が運行していること、(2)平均定員17名に対して平均利用者数は3.1人/回であり、利用効率は低いことなどが明らかになった。 4.『福祉バス白書』の執筆-集計済みの項目についてはすでに原稿を用意したが、一部のクロス集計を残しているため、『白書』は平成8年度の前半に完成したいと考えている。
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