1996 Fiscal Year Annual Research Report
脱燐・脱窒操作を行う実下水処理プラントのモデル化と最適運転操作条件の検討
Project/Area Number |
07650632
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高桑 哲男 北海道大学, 工学部, 教授 (60001153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 聡 北海道大学, 工学部, 助手 (10253816)
船水 尚行 北海道大学, 工学部, 助教授 (10113622)
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Keywords | 下水処理 / 処理場機能改善 / 生物反応モデル / 流入下水水質 / 運転操作 |
Research Abstract |
有機物除去を主目的として標準活性汚泥法のプロセスとして設計された処理場を大きな建設工事を行うことなく処理機能を向上させる一つの方法として,運転操作のみの変更で栄養塩除去を実現するステップ流入式嫌気好気活性汚泥法がある.本研究では,この方法を採用している実処理場の機能をシミュレートできる数学モデルを開発し,シミュレーションによって栄養塩除去と運転操作の関係を検討した. 処理場のモデルをActivated Sludge Model No.2を利用して作成し,モデルの有用性を処理場の実測結果ならびに処理場から採取した汚泥,下水を用いた回分実験結果により確認した.流入下水中の有機物の分類結果を用いて,処理場の運転操作条件と処理特性の関係をシミュレーションにより検討した.シミュレーション結果は,ステップ流入量配分によって処理場の窒素除去率を向上させることは難しいことを示した.また,この原因が流入下水中有機物のうち容易に分解する割合が少なく,脱窒速度が遅いことが原因であることも示された. 既存処理場を対象に,運転操作のみの変更による処理の改善を目的としている本研究では,反応槽の増設以外の方法として,窒素除去率の改善の方策として脱窒槽に有機酸を添加し脱窒速度を早くする方法を検討した.回分実験結果とシミュレーションにより有機物の添加が反応速度を上げ,窒素除去率が向上することを確認した.また,最初沈殿池汚泥の酸発酵による脱窒槽への有機物供給可能性を室内実験により検討した.
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