1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650641
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Research Institution | Faculty of Engineering, Yamaguchi University |
Principal Investigator |
浮田 正夫 山口大学, 工学部, 教授 (60035061)
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Keywords | 紙オムツ / ディスポーザー / LCA / 環境外部費用 / 廃棄物 / 下水道 |
Research Abstract |
紙おむつと布おむつのように利用目的は同じであっても,費用や便益,環境への負荷が異なるものについて,生態学的価格を用いてどちらが環境にやさしいかの総合判定を行った.生態学的価格とは,原料採取から加工・製造,流通・消費(利用),廃棄に至る製品のライフサイクル全ての環境負荷を定量し,環境保全目標に照らして,環境影響予防費用を購入価格に内部化し,総合的に評価を行おうとするものである。前年度においてライフサイクル・インベントリ-が一応整備されているので,本年度は環境保全目標の設定と環境影響予防費用としての価格換算が主な作業であった。 (1) 紙おむつと布おむつの生態学的価格 布おむつの処理費用は貸おむつ事業所の調査結果をもって推定した。その結果,紙おむつより布おむつを利用する方が環境負荷が少なく,環境外部費用を内部化した生態学的価格も低くなることが示された。 (2) 厨芥の生態学的処理費用 厨芥をごみ処理する場合とディスポーザーを利用して下水道により処理する場合とについて,生態学的処理費用により環境への影響を比較した。ディスポーザーについては,固形物が堆積しないような下水管きょの構造変更が必要と考えられるが,現況の施設で受入が可能と仮定した。その結果,焼却施設のエネルギー回収を行わない場合で両者の差は僅差であった。 なお,ごみ処理では,リサイクル推進気運の高まりによりRDFや溶融,高効率発電などが検討されており,これらが導入された場合のケースを今後考えていく必要がある。
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[Publications] 浮田正夫・城田久岳: "持続可能社会のための生態学的経済システム" 化学工業. Vol47. 27-31 (1996)
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[Publications] 浮田正夫: "宇部市におけるごみ減量化の現状について" 山口大学環境保全. No.11. 8-13 (1996)
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[Publications] 浮田正夫ほか3名: "資源ごみ回収システムの3市町比較" 土木学会中国支部研究発表会概要集. No.48. 127-128 (1996)
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[Publications] 浮田正夫,城田久岳,中西弘: "資源ごみ回収システムにおける貯留庫の役割" 土木学会年次学術講演会概要集. No.51. 564-565 (1996)
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[Publications] 浮田正夫: "小規模汚水処理施設選択のあり方" 環境工学研究フォーラム講演集. No.33. 185-187 (1996)