1996 Fiscal Year Annual Research Report
ごみマップによる廃棄物排出抑制のための管理システム手法に関する研究
Project/Area Number |
07650646
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柳瀬 龍二 福岡大学, 工学部, 助手 (20131849)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松藤 康司 福岡大学, 工学部, 助教授 (40078663)
花嶋 正孝 福岡大学, 工学部, 教授 (70078624)
|
Keywords | ごみ排出マップ / 再資源化マップ / 不燃性収集ごみ / ごみ排出管理 / 地域性 / 排出原単位 |
Research Abstract |
福岡市をモデル都市として、各家庭から排出する不燃性収集ごみを、小学校区単位で1人が1日に排出する原単位を求めマップを作成した。また、ごみ排出量の増減に影響を与える古紙・空缶等の再資源化物の集団回収状況から、同様に小学校区別の再資源化物マップを作成し、ごみ排出マップと比較検討した。集団回収による再資源化は不燃性収集ごみの排出抑制に大きく寄与している事がわかった。更に、両者を住居地域と商工業地域の用途別で比較した結果、福岡市域内の住居地域で不燃性ごみの排出量に対する再資源化率が高く、商工業地域では低い傾向が認められた。 次に、不燃性収集ごみの排出原単位のマップから、商工業地区と住居地区の中からモデル地区を抽出し、これまでの小学校区別の粗メッシュから不燃性ごみの収集車単位に細分化し、ごみ排出量、人口からより詳細なごみ排出マップを作成した。その結果、住居地域に用途区分される小学校区においても、1戸建・集合住宅を主体とする地区と隣接する近隣商店街を中心とする地区を比較すると、ごみ排出原単位に1.5倍前後の差が認められる等各家庭からのごみ排出量に比べ商店街等は事業活動に伴ない発生した事業系一般廃棄物が不燃性収集ごみに排出されている事がわかった。また、商業地域に属する小学校区を細分化したごみ排出原単位を見ると、夜間人口の多い地区に比べ昼間人口の多い地区では約2倍の排出量が認められる等、明らかに事業系一般廃棄物が不燃性収集ごみに混入している等、その地域性によってごみ排出量に大きく影響していることがわかった。 以上のことから、ごみ排出マップや再資源化マップを作成することで、再資源化がごみの排出抑制に寄与している点や、近隣商店街や昼間人口の多い商業地区からの排出量が、ごみ増加の主な要因となっていた。今後は、これらの地域性を考慮した各行政区主導型のごみ排出管理システムを確立する必要がある。
|