1997 Fiscal Year Annual Research Report
FRP筋で補強したコンクリート曲げ部材の設計基準の提案
Project/Area Number |
07650656
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Research Institution | Fukui University |
Principal Investigator |
小林 克巳 福井大学, 工学部, 教授 (40150297)
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Keywords | FRP筋 / 設計基準 / 曲げ部材 / 部材耐力係数 / たわみ量 / ひび割れ幅 |
Research Abstract |
昨年度開始した長期載荷実験を継続した。長期たわみの増加量は補強筋の応力度レベルに比例しているが、支持スパンの大きさに比べて特に問題となるような大きさではない。長期設計曲げモーメントをひび割れモーメント以下にすれば、たわみ量は使用限界とはならないであろう。ひび割れ幅の拡大も補強筋の応力度レベルに比例するが、初期ひび割れ幅が相当に大きくなるので、長期載荷時のひび割れ幅の増加を無くすような設計基準の設定が必要となろう。ただし、ひび割れ幅を使用限界とした場合にはFRP筋の応力を相当低い応力度レベルに制限することを覚悟しなければならない。 連続繊維補強コンクリートに関する第3回国際シンポジウム(札幌、1997.10)にて、本研究成果の一部を発表した。FRP筋で補強したコンクリート部材のひび割れ幅が使用限界となることは、他の研究者も認めるところで、ひび割れ幅評価に関する他の発表もあった。 FRP筋の圧縮強度が小さいことが解っているが、本研究期間内にこれを考慮した設計クライテリアの検討までできなかった。特に、地震荷重を受ける場合には、FRP筋の圧縮強度を考えた部材耐力係数の提案が必要となるので今後の研究課題となる。また、連続繊維補強コンクリート造として破壊安全率をどのくらいに考えるかという根本的な議論が残されている。
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