1996 Fiscal Year Annual Research Report
弾塑性構造物の離散化解析法における循環剛性選択過程と整合剛性行列形成アルゴリズム
Project/Area Number |
07650661
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森迫 清貴 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90127168)
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Keywords | 弾塑性 / 整合剛性行列 / 離散化増分型解析 / 循環剛性選択過程 / シャンレイ・モデル / 劣化材料 / 比較ばね / 行列式 |
Research Abstract |
本研究の目的は,有限要素法などの離散化増分型解析法による弾塑性構造物の挙動予測における整合剛性行列形成問題の循環剛性選択過程を明らかにし,確実に整合剛性行列が形成できる弾塑性解析法用アルゴリズムを提供することである。昨年度の塑性剛性が負勾配を有する(ひずみ軟化)場合の整合剛性行列問題について検討に加え,これまでに行ってきた塑性剛性が正勾配を有する(ひずみ硬化)場合についても再検討を行った。解析的検討を行うために対象としたモデルは,2本の弾塑性ばねに支えられた単純柱モデル(シャンレイ・モデル)である。その結果,循環剛性選択過程についての以下の特性を明らかにした。(1)解析目的に応じて設定された増分制御変数において,もはやその変数を増加させる解はない場合に生じ,この場合,循環剛性選択過程は解析目的を満たす解が存在しないことを意味する。(2)前ステッムで塑性負荷であった要素の除荷を厳密に捉えられない場合で,剛性行列の行列式の値の符号変化を捉えられない場合に循環剛性選択過程に陥る。この場合は増分制御が不十分で数値誤差のため循環剛性選択過程に陥ったと言える。循環剛性選択過程に陥るこれら二つの場合に共通する現象として,比較体の選択に対応する剛性行列の行列式の値が負になっている。またそのため,直前までの解ベクトルの方向が循環剛性選択過程に陥る場合に急変するという現象が見られる。このことから,慣用の試行修正過程が循環剛性選択過程に陥る場合の整合剛性行列形成アルゴリズムとして,比較体の剛性行列による速度解ベクトルの符号を逆転させたベクトルを用いた整合剛性行列を形成するアルゴリズムを示した。
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Research Products
(1 results)