1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650662
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
日下部 馨 神戸大学, 工学部, 教授 (80027250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 幸典 神戸大学, 工学部, 助手 (00116253)
福住 忠裕 神戸大学, 工学部, 助教授 (40031140)
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Keywords | 杭基礎 / 地震応答解析 / 兵庫県南部地震 / 土の非線形性 / 非線形応答 / 複素剛性 / モデル化 / 薄層要素法 |
Research Abstract |
本研究は、杭周地盤の密度、剛性、減衰などの材料定数が空間的に変化する実状、及び地盤の非線形性を考慮する杭基礎構造の解析並びに実験的研究に基づき、杭基礎構造の動特性である複素剛性と入力動の評価法を提案し、よって合理的な耐震設計を行うのに必要となる杭基礎構造の振動モデルの提案を行うことを目的とする。以下、本年度行った研究で得られた知見を示す。 1.神戸港埋立人工島を対象に、兵庫県南部地震を入力とし、地盤応答シミュレーション有効応力解析を行った。復元力特性はHardin-Drnevich Masingモデルを用いた為、大ひずみ域で減衰が過大評価され、地表面加速度は観測値より小さくなった。しかし、地表付近埋立層における過剰間隙水圧の上昇とそれに伴う大歪みの発生を捉え、これは地下5m付近での実杭の損傷を裏付けるものであり、これからも本解の妥当性が肯定される。 2.同上地震に対する杭-地盤系のシミュレーション解析を3次元薄層要素法によって行った。土の非線形性を考慮するのに等価線形化法を適用し、地盤の剛性低下を数十分の1とすれば観測結果に近い結果となり、地盤の顕著な剛性低下が判明し、本法が大地震時の応答解析においても相当有用であることが分かった。(杭頭質量のある場合)伝達関数については、地盤との差は3割程となるが、地震時加速度応答値については数%の差しか出ないということが分かった。ただし、元来有効応力解析を要する問題である点から、有効応力低下領域における土の剛性評価法については継続検討を行う必要がある。 3.25階建高層建築物の同上大地震による応答解析を行い、入力地震動特性、建物の増幅特性、建物の地震応答の時間的変動と損傷との関連などを考察し、設計時の解析モデルと耐震設計基準の妥当性を検証した。 4.不確定線形地盤の地震応答値の評価に関して、確率変数を含む地震応答期待値・分散推定法の提示を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 日下部馨、福住忠裕、本多永平: "埋立人工島における杭の地震応答性状" 日本建築学会近畿支部研究報告集(構造系). Vol.37. 77-80 (1996)
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[Publications] 福住忠裕、日下部馨: "神戸港埋立人工島における杭の地震応答性状" 日本建築学会大会学術講演梗概集(B構造I). 497-498 (1996)
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[Publications] 日下部馨、福住忠裕、木場将雄: "兵庫県南部地震による埋立人工島地盤の応答解析" 日本建築学会近畿支部研究報告集(構造系). Vol.37. 73-74 (1996)
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[Publications] 日下部馨、前田幸典 他2名: "兵庫県南部地震の激震地に建つ高層建物の観測地震動" 構造工学論文集. Vol.42B. 15-22 (1996)
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[Publications] 岡野創、日下部馨、上島照幸: "媒介変数1次近似法による不確定な線形地盤の地震応答量の評価" 日本建築学会構造系論文報告集. Vol.490. 129-138 (1996)
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[Publications] Kaoru KUSAKABE et al: "Response of a 25 story SRC residential building during the Hyogo-Ken Nanbu Earthquake" 11ht World Conference of Earthquake Engrg.(1996)