1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650668
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
見村 博明 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00057233)
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Keywords | 鋼構造 / 柱-はり溶接接合部 / 低サイクル疲労 / ひずみ制御実験 / 超高層建物 / 風荷重 |
Research Abstract |
超高層建物の柱-はり溶接接合部が風荷重によって繰り返し応力を受けたときの低サイクル疲労耐力を実験的に調査した。用いた試験体は柱フランジにはりフランジをK形開先を有する完全溶け込み溶接とした十字形のモデル供試体であり,溶接の種類は炭酸ガスアーク溶接である。また,試験体数は溶接のままのもの7体,溶接の余盛部をグラインダーで仕上げたもの7体,及び母材試験体7体の計21体である。載荷方法は荷重型式を正弦波とするひずみ制御による完全両振りとした。本実験におけるひずみ振幅は0.2%〜2.4%とした。実験結果はひずみ振幅値と疲労き裂発生までの応力の繰り返し回数,及び全断面破断までの繰り返し回数の関係で整理した。本年度の実験的研究より得られた知見を列挙すると以下の通りである。 1.平板試験体による母材の低サイクル疲労耐力は,砂時計形試験体による既応の実験結果との比較において疲労き裂発生耐力は飯田の実験式と,疲労破断耐力はMansonの実験式とそれぞれ良好な対応を示した。 2.溶接のまま継手の疲労耐力は母材のそれに対して,き裂発生耐力で10%〜20%,破断耐力で10%〜30%の耐力低下を示した。尚,疲労き裂の発生箇所は全て溶接の止端部であった。 3.溶接部をグラインダー仕上げた継手の疲労耐力は母材のそれに対して,ひずみ振幅が1%以上では約20%の低下を示したが,それが1%以上では母材の疲労耐力にほぼ等しい結果であった。 4.破壊の型式は繰り返しひずみ振幅が1.5%以上では破断面にデンプルを含む延性破壊を呈し,ひずみ振幅が1.5%以下ではストライエーションを形成した疲労破壊を呈した。 次年度はサブマージアーク溶接を用いた試験体により,溶接形態及び溶接入熱量の相違による影響を調べる。
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